第66話 私の方が、ゆうくんに似合う服を、選ぶことができるんだからね‼

「じゃじゃ~ん‼これが私が選んだコーデだよ‼」


ゆうくんが、試着室のカーテンを開けると同時に、優香はそんなことを言う。

優香が選んだコーデ。大人っぽくて、すっごくゆうくんに似合ってる。統一感

もあって、すっごくかっこいい。


「こ、これが私が選んだコーデだよ。」


優香の選んだコーデから、私が選んだコーデに着替えたゆうくんが、カーテンを開けるのに合わせて、わたしもそう言った。……数分前の私、何してるんだろう。

私の選んだコーデを着たゆうくんを見て、私はそう思った。

上には可愛いクマのイラストが描かれた服を、下に短パンをはいたゆうくんは、

まるで、公園で遊ぶ、三歳児のような服装だった。


「……葵。本当にこの服で合ってるの?」


と、ゆうくんは私に聞いてきた。

……まあ、そういう反応になるよね。だって、高校生にもなって、クマのイラストが描かれた服なんて……普通、着ないもんね。


「うん。……ごめん、ゆうくん。この時の私、どうかしちゃっていたみたい。」


と、私はゆうくんに謝った。

ちなみに、『ゆうくんに、にあった服を選べるのか?』という勝負は、優香の圧勝でした。

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