第64話 早く起こされた、理由はなんと⁉

「さて問題です。ゆうくんが今日、こんなに早く起こされた理由は、なんでしょう⁉」


リビングにつき、ソファーに座ると、葵が突然問題を出してきた。


「あ、私もいるからね~‼」


と、ここにはいない誰かに、キッチンからアピールする神保さん。

夕食だけでなく、朝食まで作っていただき、本当にありがとうございます。

……ていうか今、神保さんは誰に話しかけてたんだろう。……まさか、幽霊

とか?

と、そんなことはどうでもよくて、早く葵の問題に答えないとな。

……葵が俺を、早く起こした理由。


「学校に遅れちゃうから?……まあ、今日は学校はないけど。」


うん。葵ならあり得る。昨日、休んだから昨日を日曜日と勘違いして、今日を月曜だと思っている確率も、なきにしもあらずだ。


「……ゆうくん。ゆうくんは私を、なんだと思っているの?」


「バカわいい、最高の幼馴染だって、思ってるけど……。」


うん。うそは言っていない。ただ、本当は『最高の幼馴染』の前に、『結婚したいと思っている』がつくけど……。


「もう‼『バカわいい』って言えば、許してもらえると思ってるんでしょう⁉……まあ、実際許しちゃうけど。」


あ、許しちゃうんだ。……もしかして、葵って結構ちょろい?俺と同じく。


「それで、私が今日、ゆうくんをこんなに朝早くから、起こした理由はね‼」


葵がそう言ったところで、


「三人で、一緒にどこか、遊びに行かない?って聞くためなの~‼」


と、神保さんが言った。

……葵。ハンカチ貸してあげるから、これで涙拭きなよ。

え⁉泣いてないからいらないって?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る