第59話 神保さんの料理。飲食店の料理より、おいしくない⁉

「夜ごはん、できたよ~。」


キッチンから、神保さんが俺たちに向かってそんなことを言う。俺の許可なく始まった、神保さんが俺をお世話するとかいう意味の分からないことが始まってから、すでに一時間以上たっている。神保さんが、ご飯を作り始める前までは、三人で、ゲームをして遊んだり、俺と神保さんで、葵に勉強を教えたり……。

『もう俺元気なんだから、お世話なんていらなくない⁉』

そう何度もツッコミかけたが、せっかく神保さんが好意で手伝ってくれているのに、それを無下にすることなんかできず……結局夕食まで作ってもらってしまった。

神保さんが、テーブルの上に並べた料理は、

鯛めし、エビときゅうりとキャベツを使ったサラダ、豚汁など、

どれも美味しそうだった。


「いただきます。」


神保さんの作った料理を早く食べたかった俺は、椅子に座った瞬間、そう言って自分の皿に、盛り付けを始めた。


「あ⁉ゆうくんズルい‼私が一番最初に、鯛めしを取ろうと思ってたのに‼」


「まあまあ、これは葵のためじゃなくて、中島君のために作ったんだから。ね?今度葵にも、またおんなじの作ってあげるから。」


神保さんがそう言うと、葵は


「約束だからね⁉」


といい、俺のことを責める(?)のをやめてくれた。

神様、仏様、神保様。

本当に、ありがとうございます‼

俺は心の中で、神保さんに向かってお礼を言うのだった。

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