第59話 神保さんの料理。飲食店の料理より、おいしくない⁉
「夜ごはん、できたよ~。」
キッチンから、神保さんが俺たちに向かってそんなことを言う。俺の許可なく始まった、神保さんが俺をお世話するとかいう意味の分からないことが始まってから、すでに一時間以上たっている。神保さんが、ご飯を作り始める前までは、三人で、ゲームをして遊んだり、俺と神保さんで、葵に勉強を教えたり……。
『もう俺元気なんだから、お世話なんていらなくない⁉』
そう何度もツッコミかけたが、せっかく神保さんが好意で手伝ってくれているのに、それを無下にすることなんかできず……結局夕食まで作ってもらってしまった。
神保さんが、テーブルの上に並べた料理は、
鯛めし、エビときゅうりとキャベツを使ったサラダ、豚汁など、
どれも美味しそうだった。
「いただきます。」
神保さんの作った料理を早く食べたかった俺は、椅子に座った瞬間、そう言って自分の皿に、盛り付けを始めた。
「あ⁉ゆうくんズルい‼私が一番最初に、鯛めしを取ろうと思ってたのに‼」
「まあまあ、これは葵のためじゃなくて、中島君のために作ったんだから。ね?今度葵にも、またおんなじの作ってあげるから。」
神保さんがそう言うと、葵は
「約束だからね⁉」
といい、俺のことを責める(?)のをやめてくれた。
神様、仏様、神保様。
本当に、ありがとうございます‼
俺は心の中で、神保さんに向かってお礼を言うのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます