第58話 私だって、お世話したいもん‼

優香から、二人の関係を、何とか隠し通した私たち。

……だったのだが、


「中島君。ここから先は、私がお世話してあげるよ。ほら、私に、夜のお世話、

して欲しくないの?」


そう言いながら、優香は制服の首元の部分をパタパタさせる。

む‼私のゆうくんを、誘惑しようだなんて……。私がそんなにアレがないからって、

それは卑怯だよ‼『大は小を兼ねる』って言葉もあるくらいなんだし、そんな手を

使われたら、私に勝ち目がなくなっちゃうじゃん⁉

……ていうか優香って、そういうキャラだったっけ?


「それにさ~、葵ばっかりに任せてたら、葵が勉強できなくなって、次のテスト、大変なことになっちゃうんじゃない?この前の、新入生テストだって、下から二番目だったらしいし。」


……下から二番目だよ⁉別によくない⁉一番下じゃないんだから。とはいえ、ここで優香の誘い(?)だけ断われば、優香に怪しまれる可能性がある。……ちょっと怖いけど、ここはゆうくんを信じるしかないかな?


「私は、別にいいよ。ゆうくんがいいっていうなら、このあとは優香に、お世話係を譲ってあげる。……でも、もう荷物とか、持ってきちゃったから、今日はこっちで、過ごさせてくれない?」


さすがに私がいる中で、優香が強硬手段に出ることはないだろう。

そう思ったので、適当な理由をつけて、ここに居座ろうと考え、そう提案してみた。


「うん。また移動するのも大変だろうし、今日はそのままでいいよ‼……それじゃあ、私も荷物、持ってくるね~。」


わたしの提案を、即受け入れると、優香はそう言って、急いで部屋に帰っていった。

……これ、ゆうくんの意志なしで決まっちゃってない⁉






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