第53話 家事を頑張る、葵さん ①

「えっと~、まずは何をやればいいのかな~。」


家事をやると決めたものの、家事を全くやったことない私は、何から手を付けていいのか、わからなかった。

……掃除に洗濯、お風呂洗い。いったい何から始めるべきなのか。

そんなことを考えて10分ほどがたったころ、私は自分が朝食を食べていないことに気づいた。……もちろん、ゆうくんも。

と、言うことで、私はまず、朝ご飯を作ることにした。



「よし‼これでオッケー‼」


昨日と同じように、適当にお米を入れ、適当に水を入れ、適当にボタンを押し、

まずはご飯を炊き始めた。

……スープは昨日の朝の残りがあるし、あとは目玉焼きを焼くだけだから、少しの間だけ、テレビを見て居よう‼

そう思い、テレビを見ていると、


「ご飯が、炊けました。」


と、炊飯器が言った。……炊飯器って、人じゃないけど、『言った』って表現を

使っちゃって、大丈夫なのかな?

……ていうか私、目玉焼き焼いて無くない⁉

テレビを見ていて、目玉焼きを焼くのを忘れていた私。

ご飯が覚める前に焼かないと‼

そう思い、焦って卵を割った結果……殻がたくさん入っちゃった。

殻が入った目玉焼きを、食べることはできないので、焼ける前に、急いで私は、

手づかみで殻を取り出す。(火を止めることを知らなかったんです。)

何度もやけどしそうになりながらも、何とか無事、目玉焼きを作り上げたものの、

自分で作ったご飯を食べながら、料理はまだまだだなと、思う私でした。


ちなみに、ゆうくんは

「おいしい‼葵、このご飯、すっごくおいしいよ⁉」

と、言ってくれました。

こんなにまずい料理を、おいしいって言ってくれるなんて……。

ゆうくんは、最高だね‼

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る