第54話 家事を頑張る、葵さん ②

すっごく、すっごくまずいご飯を、この世のものとは思えないようなご飯を作った後、私は掃除を始めようとしていた。


「よいしょ、よいしょ。」


ふぅ。ようやく掃除機を運んでこれた。……掃除機って、すごく軽いのかと思ってたけど、結構重いし、運ぶのも大変なんだね。私、今まで掃除機を使ったことがなかったから知らなかった。

と、掃除機を運んできただけで、一仕事終えたかのような気になっている私は、本当の地獄が、これから始まることを知らないのだった。



「う~、机の下とか、引き出しの下の掃除って、すっごく、すっごくやりずらい‼

もう腰が折れちゃうよ~‼」


40分ほどかけて、リビングを掃除した私は、窓の外に向かって、そんなことを叫んでいた。……あれ?これってもし、近所の人に聞かれてたら、『やばい人』みたいな感じに思われちゃう?

40分ほどかけて、掃除をしたといったが、別に、念入りに掃除をしたわけでも、

ゆうくんの家が、広いというわけでもない。ただ単に、私の体力がなかったのと、

掃除に慣れていなかったのが原因だ。

……掃除って、ただただ掃除機をかければだけだから、簡単だって思ってたけど、

全然そんなこと、ないんだね。

そんなことを今日の経験から、私は学んだ

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