第50話 まさか、神保さんも⁉

「う~ん……。これだけ行きたいところがあるとなると、さすがにどこか、

行くことをあきらめるしかありませんね。」


三人で、自由時間に回りたい場所を出し合ったあと、神保さんはそんなことを言い出した。

……え⁉まさか、行きたいと思ったとこ、全部回れると思ってたの⁉『類は友を呼ぶ』っていうけど、まさか神保さんまで……いや、それはないか?

……待てよ⁉神保さんって、俺が大輝と同じように、自分の好きなタイプを熱く語ったとき、男子しかいない空間だからこそ許されるような話をしちゃったとき、確かあまり、いや、全くひかなかったような。

うん。ありえるぞ。神保さんが、葵と同じような人間の可能性も、ありえるぞ……。


「そっか~……。行きたい場所、全部回ろうねって、話していたのにね。」


……あ、やっぱりか。

【秘宝】 神保さん、うちの班の、常識人枠だと思っていたが、実は葵と同じタイプ        

     の人間だったことが判明‼

……あれ?『ひほう』って、この感じであってたっけ?


「ね。まさかこんなに、行きたい場所が被らないなんて……。これから、どうやって決めよっか。」


こんな経験、こんな経験初めてだ。大輝に、大輝に一緒に、いてほしいと思ったことなんて。大輝~‼助けてくれ~‼


ちなみに、俺たちが、自由時間に行く場所は、この後、多数決によって決められた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る