第48話 名探偵、神保さん⁉ ②

「ねえねえ、葵。それから中島君。さっき、偶然この歯ブラシが落ちてきたんだけど……。これって、誰のかな?」


神保さんが、そんなことを聞いてきた。

……それって、葵が持ってきた奴じゃん。リビングのものには気を付けたけど、洗面台にあったなんて……。


「え⁉それって、ゆうくんのお母さんの歯ブラシじゃない⁉」


わかりやすく、動揺している葵さん。『ゆうくん』といった上に、

『あおい』と、わかりやすく、ひらがなで自分の名前が書いてある歯ブラシを、

俺のお母さんのものだといってしまう。

……幼なじみと、母親の名前が同じって。

どんな奇跡だよ⁉

どうやら、神保さんも同じことを考えたようで、


「幼なじみと、母親の名前が同じって、ありえなくない?」


と、葵に向かっていった。

さあ、どうする葵⁉


「ほっ本当に、びびびびっくりだよね~。幼なじみと、母親の名前が同じなんて。」


……。うん。きっとこれは、誤魔化すのに失敗したな。

そう思ったのだが、


「そうだね~。」


と、神保さんは言うだけだった。

……え⁉まさかのうまく、誤魔化せちゃったの⁉

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