第46話 なんで神保さんに、同棲を知られちゃいけないんだ?

「なあなあ、何で葵は、そんなに片づけを一生懸命やっているんだ?……いくら友達

が来るとは言え、さすがにやりすぎじゃないか?」


友達が家に来る前に、散らかっている部屋を片付けるのはわかる。でも、今の葵は、少しやりすぎのように見える。だって、自分の荷物を、リビングにある自分の食器や私物を、部屋に入れているのだ。

……なんでそんなことをしているんだろう。


「もう‼ゆうくんはなんで、頭がいいのにこういうことに関しては、何もわからないの⁉」


……そう言われましてもね。それに、俺は葵と比べたら、頭がいいだけで、別に頭がいいわけではないからね?平均オブ平均。ザ・普通っていうような成績しか、残してないからね⁉


「優香に、私と、ゆうくんが、同棲をしていることを知られたらまずいでしょ⁉

……はぁ。なんでこんなこともわからないの。」


……今日の葵さん。家でもすごい、辛辣じゃないですか。


「……神保さんに、俺と葵が同棲していることを知られたら、何でまずいんだ?」


うん、これに関しては、本当に理解できない。

数学の、相似とか、因数分解、二次関数なら理解できるんだけど、さすがにこれは……。


「そんなの、知られたらまずいに決まってるでしょ⁉だって私たち、まだ高校一年生なのよ⁉同棲してるなんて知られたら、世間的に、印象が悪いじゃない‼」


……確かに‼

なんかもう、葵と同棲してることが、当たり前みたいになっちゃってたから忘れてたけど、普通の高校生は、同棲なんかしないんだ。

ふぅ。

危なかった。葵がいなかったら、感覚が、世間と離れちゃうところだったよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る