第40話 今日も今日とて、世界一可愛いうちのお嫁さんは、運動ができない⁉︎

ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ。

シャトルランが始まって、2分ほどが経過したころ、私は体育館に倒れ込んでいた。

私の、シャトルランの結果は、私の記憶が正しければ15回。

前回の記録10回を、大幅に更新することになるため、快挙と言っていいだろう。

ちなみに、周りのみんなは涼しい顔をして走っている。

……なんでそんなに、みんなは走れるのかな?

そしてこの、化け物集団の先頭をいくのは、

私の愛しの旦那さん。ゆうくん‼︎

本当なら

「キャー‼︎ゆうくんかっこいい〜」

とか、

「ゆうくんすご〜い‼︎」

とか、

「さすが私の世界一の旦那さん〜」

とか、大声で叫びたいところだけど、そんなことを言うと、周りの人から変な目で見られかねないのでやめておく。

ゆうくんに、迷惑をかけるのは嫌だしね‼︎

……それに、みんなの前で言うのは、恥ずかしいし……。

そんなことを考えていると、


「葵〜、お疲れ様〜。」


と、言いながら、私の親友兼、恋敵の、優香が近づいてきた。


「ねえねえ優香〜。私、すごくない⁉︎去年より、

記録が5も増えたんだよ?……えへへ〜すごいでしょ〜。優香も、褒めたくなっちゃったでしょ?

褒めてもいいんだよ〜?本当は、ゆうくんに一番に褒めて欲しいけど、今日は気分がいいから、優香が最初でもいいよ?」


……あれ?なんか私、嫌な人みたいな、言い方になっちゃったかな?優香、怒っちゃったかな?

私がそう思い、不安になっていると、


「はいはい。葵、すごいね〜。」


と、そんなことを言いながら、優香は憐れみの目を、私に向けているのだった。

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