第38話 なに⁉︎葵が作った朝ごはんだって⁉︎

「ゆ〜う〜くん。おっはよ〜‼︎」


朝5時30分。そんなことを言いながら、葵が部屋の明かりをつけた。

……朝5時30分って。

いくらなんでも早すぎない⁉︎

うん。さすがにこれは早すぎる。だって家を出るのって、6時45分だよ⁉︎まだあと、1時間15分もあるんだよ⁉︎

……そう思いながらも、重い体を起こし、葵に


「おはよう。」


と、朝の挨拶をした。

そして挨拶をした次の瞬間


「おやすみ〜。」


と言って、もう一度ベッドに寝っ転がった。

昨日、12時30分に寝た俺。小学生の頃は11時間

は睡眠時間を確保していた俺にとって、中学時代の

9時間でも、昨日と同じ5時間30でもキツかったのに、さらに30分を減らすなんて……。

葵は俺を、殺すきですか⁉︎

まあ、そんなわけなので、俺は寝ようとしたのだが、


「そんな……。せっかく朝ごはんを作ってあげたのに。」


と、葵が泣きそうな顔+上目遣いという、必殺技を使ってきたので、


「ごめん。そんなこと、知らなくて……。ありがとう葵。朝ごはんを作ってくれて。」


と、つい言ってしまった。

……まだ寝たかったのに。というか、寝ないと学校

の授業中に寝ちゃうのに。

まあ、


「やった〜‼︎ゆうくんに、私が初めて1人で作ったご飯を食べてもらえる〜‼︎」


とか言って喜ぶ葵を見たら、そんなこと、どうでも良くなったけど。

ちなみに、葵の作った料理は、真っ黒に焦げたにんじんと大根が入っているお味噌汁と、白身のない

目玉焼き(……それって目玉焼きっていうの?)と、

カピカピの白いご飯でした。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る