第23話 2人で一緒に、アルバムを見て、これまでのことを振り返ろう‼︎ ①
ピーンポーン
晩御飯を作っていると、インターホンがなった。
「私が出るから、ゆうくんはご飯を作ってていいよ‼︎」
俺が出ようとすると、葵がそう言って、玄関の方へと歩き出した。
……なんだろう?なにか荷物を頼んだわけでもないし。
そんなことを考えていると、大きな箱を持って、葵がやってきた。
「大丈夫?葵。一緒に持とうか?」
葵が、重そうに運んでいたので、そう声をかけてみる。
すると葵は、
「ううん。後少しだから大丈夫。ゆうくんは、気にせずに料理を作ってて‼︎」
と言ってきた。
……気にしないでって言われても。
いくらあと数メートルとはいえ、好きな相手が、
大変そうにしていたら、助けたくなってしまうのだ。
……別に、葵を信用してないわけじゃないよ?
好きな人には、苦しまずにいてほしいだけで。
でも、葵が『大丈夫』と言った以上、俺に出来ることはない。よし、続きを作るか。
そう思い、ピーマンの肉詰めを、フライパンの上に
並べた時だった。
「うわ〜、すっご〜い‼︎」
葵がそう、大声で言ったのは。
「葵、どうしたの?」
急に大声を出した葵に向かって、俺はそう、声をかける。
……まさか、爆弾でも、入ってたの⁉︎
……いや、爆弾を見て、『すご〜い』なんて言う人は、1人もいないか。
「ゆうくんのお母さんから、アルバムが送られてきたんだよ‼︎ゆうくんが赤ちゃんの頃の写真も入ってるアルバムが‼︎」
……。え?俺のアルバム?
「葵‼︎その、アルバムの中身を見るのは、やめてくれないか?」
お母さん‼︎
なんてもの送ってきてくれちゃってんの⁉︎好きな人に、自分の小さい頃の写真を見られるのって、
どれだけ恥ずかしいことかわかってんの⁉︎
……それに、小さい頃の写真って、お風呂に入ってるやつとかも、あるだろうし。
こうして、俺にとっては地獄でしかない時間が
始まったのだった。
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