第16話 神保さんの、大切なお話。①

「ごめんね。急に呼び出しちゃって。」


屋上に着くと、神保さんはまず、俺に向かって

そう言った。


「いや、別に謝らなくても大丈夫だよ。……俺としては、感謝したいくらいだし。」


あのまま教室にいれば、俺の評価は下がりまくり、

犯罪者予備軍2の、称号をもらいかねない状況だったから、本当に助かった。……まあ、もう手遅れかもしれないけど。


「あはは。たしかに長谷川くん。変なこと言ってたもんね。……ちなみに、中島くんも、長谷川くんと、似たような考えかたをしてるの?」


ほら、言われてるぞ大輝。『変なこと』って。

お前にとってはあれが普通なのかもしれないけどな、周りの人にとって、あれは『変なこと』なんだよ‼︎……あれが普通って、なんかやばくない?


「いや、さすがに大輝みたいな考えかたはしてないな〜。ていうか俺、甘えられるより、甘えたいから、年下より、年上もしくは同い年がいいんだよね。年下よりも、その方が甘えやすいし。」


……ごめん大輝。俺もやばい人だった。

クラスメイトの前で、好きなタイプについて語る

お前のことを、『やばいやつ』とか言って突き放したけど、俺も大概だわ。

……だって、同い年の女子と、2人っきりで話してる時に、聞かれてもないのに好きなタイプの話をしちゃうんだから。普通に、『はい』か『いいえ』で

答えるべき質問に、必要のない言葉を付け足して

好きなタイプについて、熱く……熱くはないけど

語っちゃうんだから。

本当にごめん。大輝

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