第13話 葵さん、徹夜で勉強?

昨日と同じように、2人でベッドで寝ていると……あれ?なんで俺、今日も葵と寝てるんだろう。

……えっと、確か今日は、

「ゆうくん。一緒に寝よ?」

って葵に言われて……それで確か、なんも抵抗せずに、

「いいよ‼︎」

って言ったような。……なんで俺、抵抗しなかったの⁉︎

まあ、ともかく、抵抗することを忘れてしまった俺は、2日連続、片想いしている相手と、一緒に寝ることになってしまったのだ。

がんばれ、俺の視床下部‼︎

……え?

『視床下部ってなんなの?』

だって?

……えっと、確か視床下部って、性欲を司る、脳の一部だったと思います。はい。

……違ってたら、ごめんなさい。

まあ、ともかく、こんな状況が何日も続けば、

俺がお猿さんになってしまう可能性も、ないとは言えない。というより、お猿さんにならない可能性の方が低いだろう。……だって俺、健全な男の子だもん‼︎まあ、そんなわけなので、明日からはしっかり断らないと‼︎

……う〜ん。でも、明日から、どうやって断ろう。

そんなことを考えていると、突然葵が、

「あ⁉︎明日、古典の助動詞確認テストじゃん‼︎

……ゆうくん。少し勉強してくるね‼︎」

と、いって寝室から、出ていってしまった。

……。葵が出ていってから数十秒、何が起こったのかわからなかった俺は、少し固まってしまった。

そして数十秒後、ようやく状況を理解した俺は、

もう、ここにはいない葵に向けて、

「がんばれ‼︎」

と、小さな声で言うのだった。

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