第10話 大輝さん。昼食くらい、静かに食べさせてくれませんかね?
「なあ祐希〜。最近俺の妹が、俺に冷たいんだが、なんでだと思う?」
一人で、一人で静かに昼食を食べてると、
『顔も声も、うるさい男』こと、長谷川大輝が、
話しかけてきた。
……昼食くらい、静かに食べさせて欲しいんだけど。
「そんなこと、知るわけねえだろ⁉︎なんでお前の妹のこと、俺が知ってるんだよ⁉︎最後にあったの、
俺が中1、向こうは小5の時だぞ⁉︎もう3年間も会ってないのに、そんなこと、知るわけないだろ⁉︎」
……こいつ、本当に頭のネジが、何本か外れてると思う。
「仕方ないだろ〜。お前しか、頼れる相手がいないんだから。」
『類は友を呼ぶ』という言葉は、よくできた言葉だと、俺は思う。陽キャの元には陽キャが、陰キャの元には陰キャが、そして、俺のようなぼっちの元には、大輝のようなぼっちが集まる。陽キャと陰キャ
、陽キャとぼっち、が一緒になることなど、学校
行事(先生が、勝手に役割を決めたもの)以外では
ありえない。授業でペアを作る時、ぼっちと陰キャがペアになることはあるが、ほとんど似たような立場なので、『類は友を呼ぶ』という言葉は、人間の、性質そのものを表していると言えるだろう。
……なんの話をしてるんだ?
まあ、ともかく、こんな長ったらしくしゃべって
伝えたかったことは、大輝も俺と同じ、ぼっちだと
いうことだ。……友達一応いるから、ぼっちではないのかな?うーん……。まあいいや、そんなこと。
「でもな、大輝。俺にしか頼れないって言われたってな……。俺に女心が、わかるように見えるか?」
自慢ではないが、俺は女子の気持ちというものを、
全く理解できない。……まあ、葵の行動が、俺にとっては意味不明ってとこで、察してくれ。俺の、
『女心がわからなかったエピソード』は、煩悩の数くらいあるが、それを話していると、俺の心がすり減っていってしまうので、その話をするのは、勘弁してほしい。なんてったって俺は、豆腐メンタルだからな‼︎
「……まあ、そうだな。ごめん。祐希に女心のことを聞いた俺が、間違っていた。」
……。そこは否定して欲しかったんですけど⁉︎それに、それにそんなに謝られると……豆腐メンタルの
俺は、泣いちゃうよ?
学校の教室で。
クラスメイトの前で。
好きな人がいる、教室の中で。
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