第7話 多様
俺もいっしょに凍り付いたけど、パラメータみて気がついた。
お前ら酸素作りすぎ。
二酸化炭素減りすぎて、温室効果がなくなって、そんで凍ったの。
お前ら自業自得。
と言ってても仕方ないので、コマンドポイント使って、火山の噴火増やして、二酸化炭素補給。
あったかくなるまでの間、生き物たちは必死の生存競争という名の早食いゲーム。
おかげで進化が早まりました。
あ、選択ウィンドウが開いた。
「初期知性を獲得した生物が現れました。重点育成生物に指定しますか?」
早っ!
大気をいじくってる間に知性を獲得した動物まで現れてやがったよ。
ちな、これなんも考えずに「はい」を選ぶと生存域とか知性発達とかで詰む時がある。んだから慎重に。
コミュニケーション何種類かできて簡単な道具を使い始めたら初期知性を獲得イベになるから、後からはるかに条件のいいのが現れることがある。
今回のはっと。
データを確認すると、海底に住んでた動物の、鰭みたいな器官が発達してして海底に落ちてる石とか殻とか掴めるようになったみたい。コミュニケーションはなんか頭に発光器がついててそれでやってる。
えらい進化したなお前ら。
真剣に悩む。こいつらいいとこまでいけるんじゃ?
うーん。
うーん。
やめ。
「いいえ。」
海底に住んでるのがやっぱダメ。いつか半魚人になるかもしれないけどな。
海底に住んでると、高温を得られない。
これとっても大事。
高温は食事を豊かにするだけじゃなくて物を作ったり、加工したり、工業化したり、化学を発達させたりする上で絶対に必要な要素。海底火山でも得られるけど、地上に進出した生物が火を使って得るより遥かに難度が上がるし、地域も限定されちゃう。
さよなら半魚人、
の先祖。
その間にも、暖まり始めると、どんどんいろんな生き物が出てくる。
食われて絶滅するもの、食って繁栄するもの、食われないように殻を進化させて生き残るもの。いろんな戦略で生き残ったり滅んだりしてやがる。その分、色や形や飾りなんかも多種多様。あ、骨を持ってる奴もいるぞ。
植物もいろんなのが出てきてる。サイケなやつもいれば地味なのもいる。長いの平たいの。もういろいろだ。
ちょっと把握が大変になってきたので、俺はタイムスケールスライダーをいじって、進行をゆっくりにした。奴からみたら、俺はすっごい勢いで作業してるように見えるはず。
俺が今勝ってたらな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます