(5)おっさんは無力だった
異世界の街っと言っても人間しかいない。
ケモミミとかエルフとかドワーフ的なファンタジー世界の住人は何処だ?。
「ってそんなの探してる場合じゃないよなそもそも言葉が通じるのか?」
「言葉は通じる」
「え?そうなのか?」
嫌何でだよ、俺は別の世界から来た人間だぞ?言葉が通じる訳がないだろう。
「この世界には神々いる、魔力を持っているって事は神々から祝福されてる証拠。そして祝福されている者同士なら言葉普通に通じる、ヒラの世界は違う?」
かっ神々がいる?そりゃまた……。
「オッオレの世界じゃ神様は……多分いないだろうってのが常識だからな、だから違う国に住んでると言葉は基本的に通じないんだよ」
「言葉が通じない、とても不便。テレパシーもない?」
「ないな~~~」
まっ神様がいるなら何でもアリなんだろう、そもそもファンタジーに物の理屈を求めるとかバカのやることだ。
郷に入っては郷に従え、適応出来ないじゃなくてしたくないって我がまま言うヤツから死んでいくのが異世界ってヤツさ……多分な。
「よしっ先ずは人気のないところに行く、プスそこでリュックサックを出してくれ」
「ん?分かった…」
そして俺は近くの街の人間に話し掛ける。
「すみません」
「なんだ?知らない顔だけど。どうかしたのか?」
「俺は旅の者ですこの辺りに珍しい物を買い取ってくれる店とかありませんか?」
俺の話を聞いたことおっさんは街のとある店を指差した。
「外の物を買い取る店なら幾つかあるが、多分あそこが一番高く買ってくれるぞ?」
「そうなんですか!教えたていただきありがとうございます」
俺はその店に向かう、建物は二階建てでそれなりに大きい、そして窓から見える中には何やら色んな物が置かれていた。
ゲームで言うところとアイテムショップみたいな所か?。
中に入る。おお~~まさにマンガやゲームの中に出て来そうな内装のじゃないか。
中にいるのは初老のおっさんである。
「いらっしゃい、お客さんかい?」
「いえっ実は買い取って欲しいものがあります」
異世界にきてしまった俺には金が無い。しかし食べ物やら宿屋など異世界の定番な物にはとにかく金が必要になるだろう。
早急に多少でも金を用意したい、ならどうするか?。
決まっている俺にはリュックサックとその中身が異世界転移に付いてきた、これを利用するしかないだろう。要らない物を売ってこの世界の貨幣をゲットするのだ。
「それじゃあ買い取る物を出してくれるかい?」
言われて俺はリュックサックをゴソゴソとする、先ずは俺のサイフの中身からだ。
どうせこの世界では使い道のない物だ、そもそも中身も大して入ってないからな。
「この紙は……細かい絵が書いてあるね?人の肖像かい?」
それは千円札だな、確かに細かい仕事をしているよな。全部機械だけど。
「こっちも似たようなかんじだね?紙の質は良いが数枚じゃねぇ……」
一万円札と五千円札も見せるが反応は微妙か。
「ん?これは金貨かい?」
「本物の金貨ではなくメダルの類です」
五百円玉だ、ほかの硬貨も見せる。
「ほうほう!メダルにしてもよく作られているよ、これはいいものだね……」
札よりも硬貨の方がウケがいいらしい、それ以外にも食料品とか調理に使う道具以外を見せてみる。
使い物しないキャンプ用品、大した数はないけど並べて見る。
リュックサックに入れていたのはペグとかトンカチ、後はスマホ……いやっスマホは……。
「こりゃ凄いな!魔道具かい?コイツなら高値で買い取るよ!?」
「…………売ります!」
どうせ時計変わりにしかならんもんだ、要らないね。俺はスマホを売っぱらう事にした。
スマホゲーが出来ないスマホなんて充電が切れたらただの荷物だしな。
そして金に換わる物を売ってそれなりに大金を手にした。小金貨30枚と銀貨6枚、俺の世界の金額で約30万と六千円くらいになると教えてもらった。
流石に商売人らしく金について教えるのが上手いおっさんだあった。
店を出ようとする、あっその前に……。
「プス、頼めるか?」
「何をだ?ヒラ……」
そしてリュックサックをプスの収納魔法で収納してもらうのだ。
俺は大金が入った袋をポケットに入れながら店から出る。すると……。
「オオ~~ッ!随分中身が入ってそうなサイフじゃねぇかよ?」
「確かに、アニキの言うとおりだな」
「ヒヒヒヒッ!」
……………マジですか?。
その後は三人のガラの悪いチンピラ、全員二十代くらいの連中だ。ソイツらにボッコボコにされた。逃げたが直ぐに捕まった。
「待てやコラッ!捕まえたぜ!?」
「くっ!離せ………ギャッ!」
殴られた痛い。
「オラァッ!」
バキッ!
「ぎゃっ!」
殴られた。
「ソラァッ!」
「ヒャハァーッ!」
ドカッ!ゲシゲシッ!
倒れた俺を2人掛かりで蹴りまくる。
顔を踏まれた、腰を蹴られた、脚を踏まれた、全身をフルボッコにされる。
とっくに金は奪っているのに、少し抵抗しようとしたらこんな感じであった。
「ヒラ!コイツらに魔法を使う!」
「ぐっ!……使ったら……コイツらはどうなる?」
「決まってる!バラバラ!八つ裂き!」
「…………じゃあダメだな」
「!?」
コイツらの為じゃない、こんなゴミ共の為にプスを人殺しになんか……。
「何を独り言喋ってんだおっさん!?いいから死んどけや!」
バギャアッ!
顔面を蹴り上げられて、俺は気を失った。
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