十二話 休日へと

 女性...アリサさんの言葉に僕は言葉を失った。

 おふざけか何かだよな?と考えるのが普通だろう。

 先ほどの軍服らしきものはコスプレ衣装などではなく本当はそういう系の仕事用の服だったりするのだろうか...。

 しかし、そういう武器と言ったりしたものは...でも前職だから今武器を持っている必要はないのか...。

 そういう職だったこと前提だと考えると、特に思うことはないか。

 別に自分に関りがあるわけじゃない。

 暗殺しに来たとかならいらっしゃいませと対応もしたくなるが別にそういうことでもないだろう。

 深く考えるのは諦めてそういうものだという認識に切り替えるのがいいそう判断する。

「その手のお仕事をされてたんですね。僕とは関わりなくてなんだか別世界の様な話です」

「あっすいません。こんな汚れ仕事前職だなんて...清掃員って言ったほうが聞こえが良かったですねすいません」

「そんなに謝らないでください。僕そういう業界の事とか全く知りませんし」

 清掃員と言われても含みがありすぎて逆に怖いと思う。

「あっそういえば選択してもらったお礼が...」

「いえ、それが私がぶつかったのが悪いので」

「いや、貸し借りとかゼロにしたいタイプの人間なので、今からわ...時間的に無理そうですね。あの連絡先教えてもらったもいいですか?」

「あっはいわかりました。これです」

 アリサさんはポケットからケータイを取り出し連絡用のアプリを表示している。

 春と交換したときぶりだな...と感慨深いなのか少し物思いにふけってしまい手が止まってしまう。

「あの大丈夫ですか?」

 手が止まった僕の事が心配になったのか声をかけてくる。

「すいません、ひと月ぶりに操作するもので...」

「そういうことですか」

 アリサさんは笑顔でそう返してくれる。

 不思議と気分が楽になる。

 操作が終わると連絡が送れるようになる。

 とりあえず『よろしくお願いします』と送ってみる。

 突然の通知に驚いた姿を見せるアリサさんだが僕からのメッセージだと気づくと落ち着きを取り戻し『こちらこそ』と送ってくる。

 時間を見るとちょうどいい時間になっていてそろそろ帰ることにした。

「あのアリサさん、洗濯してる服どうなってますか?」

「服ですか?確かもう乾燥機にかけてて乾いているころだと思いますが...あ、お帰りになるんですね。わかりました持ってきますね」

 そう言って洗濯機のあるほうへと歩いていき、30秒程度で帰ってきて服を渡してくれた。

 服を渡されると玄関を出て家のあるほうへ向かう、アリサさんは玄関から僕を見失うまで手を振ってくれていた。


 家に着くと早速お礼を考える。

 あまり重たいものはやめておいたほうがいいだろう。

 何かしら小物を送るのがいいだろう。

 しかし送るにしても好みを知らないからな。

 ...春なら多分相手の事を誘うんだろうな。

 僕もあのくらい積極性があっても...はいらないかな。

 僕自身あの距離感そこまで得意ではなかったし。

 少し引いたところからいってみるか。

 とりあえず誘うことは誘おう。

 どうするかは彼女に決めてもらっていくことになったら距離感を意識する、これでいいだろう。

 それを決定すると僕はアリサさんにメッセージを送る。

『来週の週末に一緒に買い物に行きませんか?その時にお詫びも買おうと思っています』とこれでいいだろう。

 それを送信すると僕は寝床に着く。

 なんかいろいろ疲れたような気がする。

 とりあえず明日返事を見よう。

 僕はその後すぐに寝息を立て始めた。

 次の日返事を見るとOKを貰ったので後で細かい日程を送っておいた。

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