2章 殺人少女
閑話 初めての景色
生まれてきて初めていた場所は孤児院でした。
虐待、放置児童、ありとあらゆる腐りが集まったような場所でした。
夢を見るなんて許されません。
ただ生きることが、生きていることが奇跡と感じてしまうほどに劣悪な環境。
涙なんて流したらぶたれます。
漏らしでもしたら最悪殺されます。
少女を女としてみる男たちとベッドのある部屋に連れていかれることもあります。
全てに拒否権なんてありません。
そんな中私は何事もなく、ただぼーっとして生きるだけでなにもされませんでした。
うまく逃げていたわけではないです。
関わろうとされませんでした。
ある時、銃やナイフを携帯した男が私のもとへ来ました。
「ここよりキツいだろうが楽しみのある世界に連れて行ってやる」
そう言って私に手を伸ばしました。
私は手を取ります。
連れていかれたのは前の環境より何倍も何億倍もマシな場所でした。
しかし、その分辛い場所でもありました。
語学、数学を学ばせてもらいました。
一般常識、地理、情勢などのことも学びました。
体の動かし方や構造も学びました、
そして、人の殺し方を学びました。
数年たったころ現場という場所に連れ出されました。
どこかの施設の中ばかりにいた私が初めて見た景色は
人の死体が散らばっている戦場でした
何度も駆り出されました。
何人、何十人、何百人と殺しました。
殺し続けるうちに、疲れてしまいました。
何も得られなかったのです。
結局。
だから、逃げました。
不思議なことにあの時手を差し伸べてくれた方が手引きしてくれてすんなり進みました。
しかし、戸籍も何もありません。
そうふと思いあの人に渡されたバックがあるのを思い出しました。
そこには最低限の書類や私の銀行通帳がありました。
今まで貯めていた貯金がそこの通貨にすでに換金されていました。
期待が胸を膨らませます。
新居は山奥にあるぼろっちい小屋のような場所でした。
中はそこそこ綺麗です。
二人ぐらいは生活できるくらいの間取りです。
なんとなくそこで過ぎるだけの日常を感じながら生きます。
よく思います。
これがきっと私の幸せなんだと。
でも、なにか違うような気もします。
わからないまま過ごしているそんな時に彼が現れました...。
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