第2話 転生マスター

 目の前に不思議な光が広がっていく。


 まるで何処か違う世界へと繋がる扉のようだ。


 これから僕はあの光の扉の先へと行くのだろうか。


 薄れゆく意識の中で僕はそんなことを思っていた。


 「ここは……」

 

 次に目が覚めた時僕は青白い空間が果てしなく広がる世界にいた。


 足元を見ると一面がふわふわとした真っ白な霧に覆われていてまるで雲の上にでも来たみたいだ。


 そんな幻想的な風景を何の考えもなしに只ボーっとしたまま眺めている。


 何故だろうか。


 ここは何処なのかも分からない状況だというのに何の不安も感じずにそれどころかこの上ない安らぎを感じている。


 天国、楽園、理想郷。


 大そうな表現だがそんな言葉が似つかわしい世界だ。


 「お帰りなさいませ、ソウルナンバー・LA7-93。いかがでしたか、今回の地球での人生は……」


 ……っ!。


 暫くそんな景色に魅入っていると前方から白く光輝く球体が僕の前へとやって来て話し掛けて来た。


 その光輝く球体の言葉にハッとしたかのように僕にこれまでの記憶が蘇る。


 僕は地球という世界で遠野真一という人間の生命に生まれそして死んだのだ。


 つまり僕が今いる場所は死後の肉体を失った魂が訪れる霊界だということ。


 ソウルナンバー・LA7-93というのは魂になった僕の呼称だ。


 死んだの確か75歳の時。


 ずーっとゲームばかりをしてきた僕は天涯孤独でありながらもどうにか天寿を全うし無事霊界へと帰って来ることができたのだろう。


 霊界へと帰って来た僕は早速今回の人生の裁定をして貰う為に閻魔大王の元へと向かって行く。


 「またお前は地球に転生していたのか、ソウルナンバー・LA7-93。どうせ今回もゲーム尽くしの人生を送っていたのだろう」

 

 「まぁね。閻魔のおっちゃん。それで僕の今回獲得したソウル・ポイントは?」


 「全くもう当然のように天国行きが確定しているように聞いてきおって……。お前が今回の人生で獲得できたソウル・ポイントは198107ポイントじゃ」


 ソウル・ポイント。


 それは僕達が魂となって霊界に帰還した際にその人生の評定によって閻魔大王から貰えるポイントのことだ。


 ソウル・ポイントを消費することで僕達は自分の魂を自由に成長させることができたり、天国にある自分の部屋に色々な物を生み出せたりする。


 「やったぁーっ!。これで遂に目標としていたポイントに到達したぞぉーっ!」


 「しかし毎度毎度お前はどうしてこう大量のポイントを獲得して霊界に帰って来れるのか……。まぁ、今回はそれなりに過酷な人生を乗り越えたようじゃがそれにしてもじゃ。さては 何かポイントを獲得する為のコツを見つけよったな」


 「へへへっ」


 閻魔大王の言う通りソウル・ポイントを多く獲得するにはいくつかコツがある。


 普通はその人生において偉大な功績を残すような行いをすることをイメージするだろう。


 地球で人間に生まれたとしたら革命の指導者になったり世界規模の大事業を成功させたり等。


 けどそんなのは1回の転生先の世界で優秀且つ限られた数の魂しか達成することはできない。


 実は転生先の世界には僕のような平凡な魂でも高ポイントが獲得できる隠し条件のようなものがいくつか設定されている。


 地球にあるその1つの条件があのアビス・アガルタのゲームを最深部までクリアというもの。


 なんとそれだけで5万ものソウル・ポイントを獲得する条件を満たすことができてしまう。


 ゲーム廃人となった僕でさえ3000時間もの労力を要したゲームだけど努力と根気さえばクリア可能であることを考えると先の条件に比べるとずっと容易だ。


 アビス・アガルタ以外にも地球で西暦2000年以降の世界に転生した時に発売されるゲームソフトの中にはクリアするだけ大量のソウル・ポイントを入手できるものが数多く存在する。


 そのことに気付いた僕は何度も何度も地球に転生してはゲーム廃人として人生を繰り返しこれまでに大量のソウル・ポイントを獲得してきた。


 最もその情報は転生した時の僕の記憶にはなく、何度転生してもゲーム廃人としての人生を送るようにルーティン化するのにはかなりの時間と労力を費やしたが。


 ゲームを遊ぶことのできない環境の土地に転生してしまうことも多々もあり、それらの問題も転生を重ねるごとに段々と調整していった。


 同じ世界に転生を繰り返すのが僕にとって効率的良くソウル・ポイントを稼ぐ為の一番の方法だった。

 

 「まぁ、他の魂に迷惑を掛けるような行為をしておらぬなら良い。ワシからのアドバイスも特にないしもう天国の自分の部屋に帰って良いぞ」


 「うんっ!。それじゃあねっ!、閻魔のおっちゃんっ!」


 そう言って閻魔大王に別れを告げた僕は浮かれた表情で早々と天国にある自身の部屋へと帰って行こうとしたのだが……。


 「い……嫌だぁーーっ!。地獄になんて行きたくないっ!。誰か助けてぇぇーーっ!」


 あれは……。


 「あっ!、真一っ!。こいつに虐待されてるあなたを放置して本当に済まなかったわっ!。だけど私もこいつに手を上げられるのが怖くて逆らうことができなかったのっ!。だからどうか閻魔大王に地獄行きだけは許して貰うようお願いしてぇぇーーっ!」


 今回の地球への転生の人生で僕のことを虐待した義理の家族だった魂達が地獄へと連れて行かれようとしている。


 義理の母親だった魂が見苦しいばかりの姿で僕に助けを乞おうとしているけど僕にはどうすることもできない。


 目的のソウル・ポイントを獲得できた今となっては別にあの程度の虐待何とも思っていないけど霊界において閻魔大王の決定は絶対だ。


 僕如きが意見したところで彼等の地獄行きが覆ることはない。


 地獄で彼等が二度と転生先の世界であのような行いをしないよう反省することを願おう。


 「真一?」


 「あっ……母さん。それに父さんも……」


 「真一っ!」


 地獄へと連行される義理の家族の魂達を見送った後今度は僕の実の両親だった魂が姿を現した。


 僕を見るや否や母さんは目に涙を浮かべて僕に抱き付いてくる。


 僕との再会が嬉しい……いや。


 勿論それもあるけど僕をあのような悲惨な家庭に残して亡くなってしまったことを心の底から悔いて涙を流しているようだ。


 父さん共々延々と泣きじゃくったまま僕に謝罪の言葉を述べ続けてくる。


 「もうっ!。僕なら全然平気だからそんなに謝らなくていいよ、2人共」


 「け……けど私達のせいであなたの人生は……」


 「僕の人生のことより自分達の人生の心配をしなよ。事故のせいとはいえあんなに早死にしちゃって2人共今回の人生で獲得できたソウル・ポイントは一体いくらだったの?」


 「えっ……わ……私は5000ポイントぐらいだったけど……」


 「私は3000ポイントちょっとだ……」


 「2人共僕の獲得したポイントの10分の1にも届いてないじゃないかーっ!。そんなんじゃいつまで経っても立派な魂に成長することなんてできないよっ!」


 「じゅ……10分の1って……。それじゃあ真一の獲得したポイントは……」


 「198107ポイントだよ」


 「……っ!。じゅっ……19万っ!」


 「それじゃあ僕は天国の部屋に帰って急いでやらないといけないことがあるから……っとその前に2人にこれだけはお礼を言っておかないと。今回の人生で僕にアビス・アガルタのゲームを買い与えてくれてありがとう。また何処かの世界で一緒に転生することがあったらよろしくねー」


 「ちょ……ちょっと待ってっ!、真一っ!」


 そう両親だった魂に言い残して僕は再び足早にこの場を立ち去って行く。


 2人共まだ今回の人生で自分達の息子だった僕と話したそうだったけど霊界に帰って来た以上僕はもう彼等の息子ではなくLA7-93という1つの魂だ。


 それに彼等には悪いけど折角目的のソウル・ポイントを貯めることができた僕は早く自分の天国の部屋へと帰りたくて仕方なかった。


 「ただいまーっ!」


 部屋と言っても地球で僕がずっとゲームをして過ごしていたこじんまりな部屋とはわけが違う。


 僕が天国にある自分の部屋の扉を開けるとそこには青々とした空の下に壮大な高原の景色が広がっていた。


 澄んだ空気に包まれとても居心地が良い。


 少し遠くに見える湖畔の縁に一軒のログハウスが立っている。


 ソウル・ポイントを使って天国の部屋に建てた僕の家だ。


 窓を開けていれば丘の上から湖畔を越えて心地よい風が年中吹き込んで来る。


 そんな我が家へと僕は玄関の扉を開けて明るく挨拶しながら中へと入って行く。

 

 「お帰りなさいませ、マスター」

 

 家の中に入るとメイドの格好をした短い銀髪の女の子が僕のことを出迎えてくれた。


 彼女の名前はアイシア。


 彼女もソウル・ポイントを駆使して僕がこの空間に生み出した付き人だ。


 彼女だけでなくこの天国の部屋の中にあるものは全て僕がソウル・ポイントを駆使して創り上げたものでそれらは全て僕の魂の一部であるとえる。


 このように魂となった僕達は天国にある自分の部屋にソウル・ポイントを駆使してどのような存在でも生み出ことが可能だ。


 勿論必要なソウル・ポイントがあればだが。

 

 「今回の地球での転生は如何でしたか?」


 「今回も上手くアビス・アガルタのゲームをクリアして大量のソウル・ポイントを獲得することができたよ。それより早くソウル・マネジメントの画面を開いてっ!」


 「畏まりました」


 僕の目の前にソウル・マネジメントの画面が映った小さなスクリーンが現れる。


 ソウル・マネジメントとは僕の魂と獲得したソウル・ポイントを管理する為のツールだ。


 ソウル・マネジメントを操作することでソウル・ポイントを消費し、この天国の部屋の中の景色や付き人のアイシアを生み出したり、自身の魂Lvを上げたり転生スキルを取得したりできる。


 また現在の自身の魂のステータスも確認できるのだが……。


 ・ソウルナンバー・LA7-93の現在のステータス

  魂Lv1

  生命力ヴァイタリティ 12

  知性インテリジェンス 8

  魔力マジック 5

  精神力メンタル 10

  魅力カリスマ 7

  幸運ラック 9

  

  取得済み転生スキル

  なし


  保有ソウル・ポイント

  9999999


 見ての通り現在の僕の魂は全く成長のしていないLv1。


 どのステータスも最低レベルで転生スキルも何一つ取得できていない。


 それも当然、僕はこの世に誕生して以来ソウル・ポイントを一度も自身の魂の成長の為に使ったことがなかった。


 それどころか最初にこの部屋の景色とアイシアを生み出してからほとんどソウル・ポイントを消費せずにずっと貯め込んできた。


 今僕の保有するソウル・ポイントは9999999となっているがこれ以上はポイントがカンストしてしまって貯めることはできない。


 普通なら転生先の世界で優位に人生を送れるよう少しでも魂Lvを上げておきたいところをそれをせずに僕がソウル・ポイントをカンストするまで貯め込んだのにはちゃんとした理由がある。


 「保有ソウル・ポイント・9999999っ!。遂にカンストまでポイントを貯めることができたぞっ!。これでやっとあの転生スキルを取得することができるっ!」


 保有するソウル・ポイントがカンストまで達していることを確認した僕はスキル・マネジメントの転生スキルの取得画面を開く。


 そこには世界への転生時に優位に働く何万種類ものスキルが記載されている。


 【成長速度・上昇】

 これは自身が転生した生命体の成長速度を速めることができるスキル。

 地球で人間に転生したのならら生まれてすぐにハイハイができるようになるといったところだろうか。


 【寿命延長】

 これは転生先の世界での自身の寿命がちょっとだけ長くなる。


 【ファイヤーボール】

 ファイヤーボールの魔法が存在する世界でのその習得の難易度が容易になり、またその威力が上昇する。

 この転生スキルは魔法が存在する世界でないと意味がなく地球に転生したとしても何一つして効果が働かない……いや。

 一応油に浸したボールに火を付けて投げ放つとその威力が上昇するという話をどこかで聞いた。

 しかもそのボールを投げ放った手は絶対に火傷しないと……。

 あんまり意味はないような気もするけど地球でその映像を取ってネットに投稿したりすれば結構な有名人にはなれるかもしれない。


 【誕生の光】

 転生先の世界に誕生した瞬間に自身の身体が眩いに包まれる。

 ステータス面で特に優位になれるわけじゃないけど自身の誕生に立ち合った人達に自分が特別な存在だと思わせることができる。


 【異端者・絶望と孤独を愛する者】

 自身が世界に誕生した瞬間、自身を出産した両親となる存在がいた場合、それらの者が【異端者への耐性】のスキルを保持していない場合に限り死亡させることができる。

 その名の通り異端な性格をした魂達が好んで取得するスキルだ。

 こういった系統のスキルは僕は全く取得する気にはなれない。

 けど異端が故に優秀な存在として世界に誕生できる魂がいることも事実だ。

 地球だったらヨシフ・スターリンやアドルフ・ヒトラー、それから金正日キム・ジョンイル

 彼等は独裁者としての悪名を轟かせながらも地球の世界に多大なる影響を与えていた。

 きっと彼等はこの【異端者】系統のスキルを数多く取得していたに違いと僕は睨んでいる。

 

 等々と色々なスキルが記載された画面が何ページにも及んでいるが実はこのスキル取得の画面には普通では気付くことのできない隠しページが存在する。


 そのページを開くにはまずスキル取得画面のページの1ページから482ページまでを一気にスライドさせて、そのページの欄にある【ディバイン・ブラスト】、【聖なる炎の使い手ホーリー・パイロマンサー】、【偉大なる信仰グレイト・フェイス】のスキルのページを順に開く。


 その後もう一度スキルの一覧のページに戻り、今度は999ページまでスライドしてページの中央にある【魂の名前】というスキルのページを開こうとすれば……。


 「よしっ!、出たぞっ!」

 

 スキル取得画面の隠されたページが出現する。


 このページに記載されているスキルはどれも通常のページに記載されるスキルを逸した性能を持つものばかりで、そのスキルの取得に必要となるソウル・ポイントはどれも9999999ポイント。


 ポイントをカンストまで貯めてやっと1つのスキルを取得できる。


 けどどの転生スキルもそれに見合うどころか絶大な見返りを得られるものばかりだ。


 例えば……。


 【魔王】

 世界を滅ぼす程の力を持つ存在である魔王に転生することができる。

 但しほとんどの場合世界中の勢力を全て敵に回してしまうことなる。

 一応正体を隠して普通の者達と変わらぬ人生を送ることも可能だが性格も魔王に相

応しい者に変化してしまうことがほとんどなので難しい。


 【勇者】

 魔王から世界を救う力を持つ存在であり、闇の系統に属する以外あらゆる面で高いステータスを誇る勇者に転生することができる。

 魔王討伐を第一の使命とし、世界の平和の為に勇敢に行動する。

 一応正体を隠して普通の者達と変わらぬ、もしくは勇者らしからぬ悪の道に染まった人生を送ることも可能だが、性格も勇者に相応しい者に変化してしまうことがほとんどなので難しい。


 【大賢者マスター・セージ

 転生先に存在する全ての魔法の習得が容易になる。

 

 【時の支配者クロノ・ルーラー

 一度だけ自身を好きな時間軸へと飛ばすことができる。

 要するにタイムワープが可能になるということだ。


 【無限収納インフィニット・インベントリ

 インベントリが存在する世界に転生した際自身のインベントリの容量の制限がなくなる。


 等と如何にもチート級のスキルが満載だがその中で僕が最も注目してるのが……。

 

 【転生マスター】

 このスキルを取得した者は如何なる状態の生命であろうと魂の記憶と思考を有した状態で転生を行うことができる。


 「遂に……遂にこの【転生マスター】のスキルを取得できる時がやって来た」


 スキルの詳細に書かれている通りこの【転生マスター】の取得した者は常に今のこの魂の状態の僕の記憶と思考を有した状態で転生を行うことができる。


 これまでの前世の記憶は勿論転生の理における知識、性格だって常にこの魂のままでいることが可能だ。


 変わりにステータスへの恩恵はまるでないが僕はこの【転生マスター】の転生スキルこそが一番有用であると感じていた。


 そしてこれまで必死に貯めてきたカンスト分のソウル・ポイントを使い遂に……。


 《ソウルナンバー・LA7-93は【転生マスター】のスキルを取得しました》


 「やったぁーっ!」


 遂に念願の【転生マスター】のスキルを取得できて喜ぶ僕だがこの隠しページにはいくつか制約が設けられていてページの上部に分かりやすく記載されている。


 1つは他の魂の成長に関して一切のソウル・ポイントを消費していない状態でないとこのページを開くことができないということ。


 例え1レベルでも魂Lv上げたり他のスキルを取得してしまった魂はこれらのスキルを取得するどころかページの存在に気付くこともできない。


 僕が魂Lvを1のまま全く成長させてこなかったのはこの制約の為だ。


 僕は偶然にも最初にこのソウル・マネジメントを起動させた時に隠しページを発見することができたのだが、何万種類もの転生スキルが記載されている中この隠しページを開く為の条件を発見することができたのが本当に偶然なのかは今でも分からない。


 もしかしたらその時僕は何者かに操られてソウル・マネジメントのページを操作していたのではないか。


 そう思える程稀な確率だ。


 2つ目はこの隠しページに記載されている転生スキルはその中から1種類しか取得できないということ。


 たった今【転生マスター】の転生スキルを取得をした僕は二度と【勇者】や【魔王】といった隠しスキルを取得できなくなってしまったということだ。


 3つ目はこの隠しページの存在を自身が原因で他の者に知られてしまった場合その両者共ページが開けなくなり既に転生スキルを取得していたとしてもその効果を失ってしまうということ。


 既に自身で隠しページの存在を知り得ていた者に自身も知り得ていたことを知られても問題はない。


 これとは別に【転生マスター】の転生スキルには転生時に自身に魂の記憶があることを他の者に知られてはいけないって制約も定められている。


 この制約を破った場合も勿論僕の【転生マスター】の転生スキルは没収だ。


 僕としてはこの2つ目と3つ目の制約はなんとしても守り通さなければならない。


 何故なら折角手に入れた【転生マスター】の転生スキルを失うだけでなくカンストまで貯めた9999999分のソウル・ポイントまで全て無駄になってしまうからだ。


 「よしっ!。それじゃあ【転生マスター】の転生スキルも取得できたし早速どこかの世界に転生してこようっ!。魂の記憶がある状態で転生するのってどんな感じなのか楽しみだ」


 「行ってらっしゃいませ、マスター」


 こうして僕は【転生マスター】のスキルを有して新たなる世界への転生へと挑みに行く。

 僕が【転生マスター】のスキルの初披露の場に選んだのは……。

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