20話 ネクスト・ステージ
なんとなく、心の隅に気まずさを向かえた彰。
それもそのはず。
カラオケでの一件から、八重樫にメッセージで謝ったものの直接は謝ることができなかったのでどこかモヤモヤした気持ちがあった。
支度を済ませ会社に向かうが、今日は会社に向かう道中に八重樫に会わなかった。
オフィスに着き、自分のデスクに行くと八重樫はすでに出社し仕事に手を付け始めていた。
今は話しかけられる雰囲気ではないと悟った彰は、自分のデスクで今日行う仕事の確認を始めた。
15分ほど経ったタイミングで、朝礼が始まり全員が一度手を止め集合した。
朝礼が終わり、各自デスクに戻っていくタイミングで彰は八重樫に話しかけた。
「おはようございます、八重樫さん。土曜日は迷惑を掛けました。」
「おはよう山城君。も、もう土曜日のことはいいわよ。さぁ仕事に取りかかるわよ。」
「そうですね!頑張りましょう!」
八重樫がそこまで土曜日のことを気にしていなかったことを確認して、ほっとした気持ちと、気まずさから海保された気持ちでデスクに戻った。
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仕事をしていると、笠原から彰は話しかけられた。
「お疲れ様です山城さん。これキャラクターデザインの下書きなんですけど、こんな感じで描いてみたんですけどどうですか?」
「このメインキャラいい感じ!ヒロインはもうちょっと目を優しくした方がシナリオのイメージとリンクするかな?」
「そうですか。わかりました~。また描いて持ってきます~。」
そう言って笠原は自分の作業スペースへと戻っていった。
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そして、このようなやりとりが他の班の代表とも行われ、ゲーム制作は進行していった。
あれから1ヶ月が経った頃だった。
笠原は彰のイメージ通りのメインキャラのデザインを完成させた。
「やっとできました~。」
「お疲れ笠原ちゃん。」
「先輩は注文が結構多いので大変でしたよ~。」
「ごめんごめん。でもキャラは一番こだわりたいところでもあるし、キャラデザでゲームの人気も大きく変わってくるからね~。」
「そうですよね~、とりあえずOKが出て一安心です。」
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笠原がメインキャラのデザインを仕上げてくれたことで、モーション班が本格的に仕事を始められるようになった。モーション班は、元々作っていたモーションをキャラクターに当てていく作業に入っていく。
こうしてゲーム制作は順調に進んでいった。
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7/15(木)昼休み。
彰が、本田と笠原と昼ご飯を食べていたときのことだった。
「来週末に花火大会あるの知ってますか?よかったら本田さんと山城さん一緒に行きませんか?」
「おぉいいね!」
「俺も行きたい!」
笠原が二人に7/24(土)に行われる花火大会に行かないかという提案をした。
本田はもちろんのこと、彰も快く承諾した。
「他誰か誘ってるの?」
「今のところお二人だけにしか声かけてません。」
「じゃあ彰、八重樫さん誘ってきなよ!」
「あぁそうだね。誘ってみるね。」
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ご飯を食べ終えた彰は、昼休憩中の八重樫の元へ行った。
「お疲れ様です。」
「お疲れ~、どうしたの?」
「あの~、7/24の土曜日に花火大会があるらしいんですけど一緒に行きませんか?」
すると八重樫は少し顔を赤くしながら、
「行ってあげてもいいわよ。」
「良かったです!本田と笠原ちゃんも行くって言ってるんで詳しいことはまたみんなで決めましょう。」
彰と二人きりで行くと勝手に勘違いしていた八重樫は、さらに顔を赤くしていた。
来週末に花火大会に行く約束をし、本日の昼休憩は終了した。
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