12話 適材適所
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先ほどからデスクに座って真剣に考え込んでいる。
誰をどの班に配属させるのか。
とりあえず、決まったところから埋めていく。
そして少しずつ、各班のリーダーは決まっていった。
それが以下のメンバーである。
プロデューサー:八重樫 美咲
ディレクター:山城 彰
企画班リーダー:八重樫 美咲、山城 彰
プログラミング班リーダー:松田 純(松田さん)
グラフィックチーム
アートディレクター:|松尾 幸太
キャラ班リーダー:笠原 友香
モーション班リーダー:本田 恭介
背景班リーダー:桑原 廉
エフェクト班リーダー:松浦 蘭
八重樫をプロデューサーに選んだ理由は言うまでもない。
彼女は自身が過去に企画、開発したゲームが爆売れしたという実績をもち、彼女自身のスキルの高さも含め、今回プロデューサーに起用した。
ディレクターは彰自身がなることに。今回の企画は彰が考えたものなので、そこは普通の流れではあると思う。
企画班のリーダーは、八重樫と彰の二人で兼任することにしようと考えた。
プログラミング班リーダーは松田さんにお願いすることにした。松田さんが現在行っているプロジェクトはほとんど終わっているため、松田さんは、こちらの新規プロジェクトに参加できるとのことだったので依頼した。そしてなにより、彰は松田さんのことを一番しているということも深く関係していた。
グラフィックチームは、アートディレクターには松尾さんを起用した。松尾さんは彰の5つ上の先輩社員で、グラフィック関係ではうちのエース社員と呼ばれているほどの実力の持ち主なので、納得いくだろう。
キャラ班のリーダーには、笠原を起用する。それは、ただただ彰が企画プレゼンの時に見た彼女のキャラの絵に一目惚れしたからだ。彼女の描くキャラクターのデザイン、表情、輪郭、すべてに引き込まれた。そして、彼女に最も才能を感じた部分は、構図の切り方だった。背景をどことなく活かし、キャラを引き立たせる彼女の絵の構図に惚れ込んだ。彼女はまだ若いが、実力はあるので頑張ってもらうことにする。
モーション班のリーダーは本田にしたが、あいつのアホな部分はさておき、間違いなく、才能の塊であることは皆わかっていた。本田は入社後すぐから、モーションの仕事を任されており、ここ数年で着実に力を付けてきていた。ただ、ここがやはり本田なのである。彼のモーションの仕事へのモチベーションは、画面上の女の子がいかにエロく動くのかを最大限に追求することであった。まぁそういうところが本田らしい。ということで、今回は本田をリーダーに指名した。
背景班リーダーは、桑原 廉さん。彼は彰の6つ上の先輩で今回のプロジェクトでは一番ベテランにあたる社員である。桑原さんは、東京芸大の美術学部卒業ということもあり、本当に芸術的な絵を描く。その芸術的な背景絵と、笠原のキャラが重なったらとても面白いものが作れると思い桑原さんにお願いすることにした。
エフェクト班のリーダーに指名したのは松浦さん。彼女は1つ上の先輩だが、元気に満ちあふれていて、いちいち無駄なモーションが多い人だ。彼女は少し(かなりの)中二病で、精神年齢が幼いものの、中二病であるあらこそ、エフェクトには誰よりもこだわりがあり、今まで作成してきたゲームでも、プレーヤーを引き込ませるエフェクトを作ることができていた。ということで今回もエフェクトは彼女に依頼することにした。
こうして各班のリーダーはなんだかんだ順調に決まっていった。
「ふぅ~、あとはシナリオか...」
そう、今回もっとも重要と言っても過言でないのは、シナリオである。
このシナリオを、KEPT社所属のシナリオライターにお願いするのか、あるいは、他の作家さんにお願いするのか考えていたが、彰はとりあえず、自分がシナリオを書いてもらいたい作家さんをリストアップし、順番に電話で依頼してことにしたのであった。
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