3話 出勤①
昨晩、倒れるように眠りについた彰だったが、セットしたアラームが鳴る前に目を覚ます。
朝は弱い方であるはずだが、今日はやけに目覚めが良い。
これから何か起こると暗示しているようだった。
時計を確認し、6:15であることを確認する。
「なんか今日すっきり起きれたな。」
「久しぶりに朝ご飯でも作るか。」
そう言って、ヤカンでお湯を沸かしつつ、棚にストックされたカップの味噌汁を用意する。
また、電子レンジにパックのご飯を入れ加熱する。
それだけでは物足りなく感じたのか、フライパンに卵を落とし、目玉焼きを作った。
目玉焼きが完成したタイミングでお湯も沸き、レンチンしたご飯もできあがった。
完成した簡素な朝食をテーブルへと運び、一人手を合わせ、「いただきます」といいあっという間に平らげた。
アパートは神田にあり、会社は護国寺駅から徒歩1分の場所にあるため、アパートから会社まで30分ほどで着く。
ということもあり、9時出勤の彰は依然時間に余裕がある。
朝食を終えたあと、身支度を済ませ時刻は7:15。
久しぶりの出勤であり、今日は大事な企画会議があるということもあり、彰は早出出勤をすることにした。
7:30にアパートを出るので、それまでの間、彰はこれまでの会議資料を入念に見直す。
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今回の企画は、彰の務めるKEPT社が来年向かえる、会社創設15周年記念を祝う作品を作るという企画である。
オープンワールドの自由度が高めのゲームを作るという枠組みのみ設定されており、内容や、世界観の設定は、今日の企画会議で各自がプレゼンを行った後に、プロジェクトメンバーの投票によって決まることとなっている。
会議資料を見直しているうちに、彰は急に心配になった。
「昨日徹夜で書いた企画だけど大丈夫かな?」
「まぁ一旦会社行って企画詰めようかな。」
時計が7:30と示していたので、彰は部屋を出た。
スマホの天気予報では今日は曇りとなっていたが、無情にも外では雨が降っていた。
彰は、必要のないはずだった傘を持ち、駅へと歩いて行くのであった。
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