1話 RE:START

アパートのベッドで目を覚ました彰。

彼はすぐさまローテーブルの上に置いてあったスマホを確認する。

日付:2021年 6月20日(日)

時間:8:00

「日曜か~、、、じゃあとりあえず会社はないだろうな。」

「とりあえず人間関係も把握しておくか。」

そう思った彼はスマホの連絡先や、LINEの友達欄や、トーク履歴を片っ端からあさった。

するとあることに気づく。

彰が異世界に転生していた間も「こちら」の世界では山城 彰は平行して生きていたようだ。これはLINEのトークを遡ると鮮明に記録されていた。


2018年8月12日

山城:松田さん、このたびは大変ご迷惑をおかけいたしました。そして、本日はお見舞いに来てくださりほんとうにありがとうございます。先ほどもお伝えしたとおり、傷口はまだ痛みますが、思ったより元気ですのでそんなに心配しないでください。


松田:それはほんとによかった~(涙)。山城が刺されたって聞いてほんとに心配したんだからな~(涙)。ゆっくり休んで、そんなに焦らずに、体調が万全になってから出社すればいいからな!


松田さんとは、彰の会社の直属の上司にあたる方で、彰が会社内で唯一心を許していた人間であった。彼は温厚な性格の持ち主であり後輩の面倒見がとても良い一方で、会社の誰よりも仕事ができ、そんな松田さんには彰も尊敬の眼差しを向けていた。


その後も彰はLINEの履歴や、メールのやりとりをあさり、異世界転生していた際に、平行してこの世界で起こった様々なことを知ることとなった。


まず、刺された後、死んで異世界転生したと思っていた彰は、約24時間にも及ぶ手術を経て無事一命を取り留めたようだった。そして、会社では先月から新作ゲームを作成するプロジェクトが立ち上がっており、そのプロジェクトのサブリーダーになっていた。そして、そのプロジェクトのリーダーに指名されていたのは名前も顔も見たことのない人だった。八重樫やえがし 美咲みさき、名前から推測するに、おそらく女性だった。


そのプロジェクトに関しての資料に、目を通していたところ、スマホが鳴りだした。

画面を見ると「八重樫」と表示されていた・・・

・・・

・・・

・・・










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