第6話 推し活、いや、嫁活じゃい。
怜はそう言うと、いやそうな顔をしたが満更ではない表情を浮かべている。
そういうところなんだよな、、、動作一つ一つかわいくて、、
ただのオタクだったころは、SNSや動画サイトに投稿されている、「怜ちゃんかわいい集」などファンが番組の推しのカットを集めて編集したものをよくブックマークに保存して見ていた。
しかしなぜかわからないが、推しのライブやファンミなどは一度も足を運んだことがない。なんというか、周りのオタクがやるようなことは一切したくなかった。自分を取り巻く環境では、アイドルオタクというものは、あまりいいイメージを持たれなく、自然と陽キャに淘汰されていく人種であったからだ。臆病な俺は、周りに淘汰されることを恐れ、陽キャの話に合わせて生活してきたのだ。
でも、もうそんなこと気にしなくていいのだ、なんせ今は推しが彼女なのだから。ふふふふ。
俺が心の中で不適な笑みを浮かべていると、怜はすべての食事を終え、「
ごちそうさま」と手を合わせた。
とっさに俺も残りを食べ終え、怜と店を出た。
このまま帰ろうか、それともせっかくの外出だし、ぶらぶらしようか、迷っていたところ、
「わがままばっかでごめんなんだけど、ちょっとよりたいところがあるんだけど・・・いい??」
怜が言った。
「いいよ、どこ行くの???」
「いや、、あの女性用の・・・あの、、ちょっと一緒には来れないから、近くで待ってくれる??」
怜が言った。
「え、、ああ、わかったよ。終わったら連絡してね」
「うん」
怜はそう言うと、足早にエスカレータに向かって歩いていった。
俺も、どっかで時間つぶす・・・か。
そう思い、館内案内を見てみる。
すると、6Fにタレントグッズ専門店があることが分かった。
迷うことなく6Fを目指す。
お店の前に到着。
店内はタレントというか主にアイドルのポスター、タペストリー、キーホルダーや生写真、限定版のCD、トレーディングカードなどがびっしり並んでいた。
数年前まではこうやって、周りの目を気にしながらも、ショップに足を運び、トレカを仕入れては、フリマサイトでよく交換していたものだ。
懐かしい・・・
無論、時代の寵児であったスーパーアイドルである怜のグッズは多数取り揃えており、オタ活時代に手に入れられなかったレア品なども見つけることできた。
なつかしさに負けてしまい、一枚7千円のレアトレカを二枚購入してしまった。
店を出て、余韻に浸っていると、携帯が鳴った。
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