第6話

「来てくれたんだね」

 心から安堵したような様子で彼は言った。

「この前はごめん。八つ当たりだったんだ。君に酷いことを言った。僕が間違っていた。ごめんね」

「別に。何も悪くねーし」

「ほんとに?許してくれる?まだ友達でいてくれるかい?」

 当然だと、答えた気がする。ああよかったと、彼は泣きそうになりながら笑った。

「ねえ瑠璃山、僕は頑張る。角枝を一度なくしてしまっても、元気になればまた伸びることもあるのだって。僕はその可能性に賭けてみる。応援してくれるだろ?」

 やっぱり当然だと答えた気がする。彼は晴れやかな瞳で笑った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る