<<< 愛(1)

「うーん、後輩に聞いて見ましたけど、良くも悪くも三山君は普通の子って感じですね。」


「だよねぇ、私も中等部の先生に聞いて見たけど恨まれたりとか、素行不良とかは誰も知らないって……」


美奈さんが調べてくれた話と同じく、中等部の先生たちに聞いてみたけど空振りだった。


素行不良でも無いし、恨まれるような何も無いってなると……………手掛かり無しか。

はぁぁ、こりゃ徹夜コースかなぁ……


仕方ない…取り敢えず三山君に関係する人物を総当たりするしかないか


ーーーーーーーーーー


兎にも角にも、2徹して頑張ってみたところ、1人少し怪しい人物が出てきた。



『桐村愛』……三山くんと同じ新聞部だ。そしてこの新聞部であるのが怪しい。


何を言ってるのかと言われそうだけど、桐村さんは元々バレー部の本メンバーのリベロだったのを、三山くんが新聞部へ入ると、突然大会終わりに退部し、新聞部に入部している。


バレー部の子たちに聞き回っていると、なんでも一目惚れした子がいると語っていたようだ。


その一目惚れした生徒、それが三山くんなんじゃないだろうか。



調べてみる必要がありそう。明日、牧さんと彼女の部屋を訪ねてみよう。




ーーーーー〈南原side〉ーーーーー



センセェと鈴香さんの間に何かあった………私の頭はそれのことで一杯だった。


悶々とする。不安はどんどん大きくなって私は今日も眠れない。


「はぁ………私、どうしたらいいのかなぁ」


【夜に泣き顔………叶わぬ恋患いかな?】


1人ごごちに呟いていた私に当然、レスポンスが飛んだ。


「え、だ、誰?」


【ふふ、私は目覚めの使者だよ】


これってもしかしてノッカーアッパー!?


【慰めになるかは分からないけど、1つ君にプレゼントさ。次、目覚めると君は魔法少女になっているよ。ほら……泣き止んで、おやすみ】


私は強い眠気に耐えきれなくなって、次の瞬間には視界が暗転した。

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