【???視点】夜の帷(2)


「私は目覚めの使者………次、目覚めると君は魔法少女になっているよ。ほら」


目の前の今回の候補者が眠ったのを確認し、私は学生寮の窓を抜け、地面へ降りる。


さて、急ごう………次の候補者は大学棟の方d


「ねぇ、ノッカーアッパーって君?」


「!?」


突如として背後から、煙草を吸う、作業着姿の金髪の女に声をかけられた。

誰だ……全く気配を感じなかった。


「ほーん、その反応……当たりっぽいね。」


女は意味ありげに笑う。

嫌な相手だ。しかし顔も見られてはいないし、声も聞かれてはいない。

すぐに立ち去ろう。


「面白そうだから顔見せてよ。」


そう思ったのも束の間、いつの間にか、女の手がフードぎりぎりまで迫っていた。


なんとかバックステップで手を退ける。


危なかった………チッ、面倒くせぇ奴に会っちまった。


何にせよ、誰か知らねえけどコイツは面倒だ。

要らねえ好奇心なんか持ちやがって……


「………ケチくさいなぁ。他言しないって約束するから見せてよ。」


「見せるわけねぇだろ、阿呆。痛い目見なよ!それっ!カマイタチ!」


「おっと、ちょいちょい危ないってば。」


女は余裕綽綽といった感じでカマイタチをかわしていく。チッ……ウゼェ。

1発殴りたい気分だが、今は取り敢えず引き上げるのが先だ。


ーーーーーーーーーー


「あらら、残念、行っちゃった。でも……そっか。成る程ねぇ。大体分かったけど、面白い魔法少女もいたもんだね。ここに就職してアタリだったなぁ。これからもっと面白くなるね。」


1人呟き、吸い殻を乱雑に吸い殻入れに放り込んで、竜胆マキナは悪戯に笑った。

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