【第二章】魔法少女なんて見てるだけでいい

夜の帳

ふと目が覚めた。

時計を見る。なんだ……まだ3時かぁ。


もう一度寝ようと頑張るけど、羊を何匹数えても意識が冴えてしまって瞼が閉じてくれない。



はぁ、しょうがないか。

眠くなるまで本でも読もっと。


気持ちよさそうに眠る同室の2学年後輩を起こさないように小さくスマホのライトを点けると、ギョッとした。



部屋の扉は開いていないはずなのに誰かが私のベッドの横で勉強机の椅子に腰掛けているのだ。


この寮に幽霊の噂なんてない筈だ。

もしかして、私が第一号?


嫌だ、嫌だ………そういうオカルトはご勘弁願いますって。



「驚かせてごめんね。」


幽霊?から声をかけられた。

穏やかな声だけど、居ることが確定してしまって足が震える。


「ちょっ、ちょっと幽霊!早くこの部屋から出てきなさいってば!」


強気な声で幽霊?に対する。

恐怖でトイレが近づいてるのは内緒だ。


「ふふ、違う。違う。幽霊じゃないよ。」


「じゃ、じゃあ何!?泥棒!?」


もしかしたら、相手が怯むかもと思ってスマホのライトを向けたけど、相手はフードを被っていて顔が見えない。


「私はノッカーアッパー………次、目覚めると君は魔法少女になっているよ。ほら」


ソイツがそう言うなり、私は耐えられない眠気に襲われ、意識が暗転した。

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