【向井視点】文化祭前夜
「梔子さんも美菜さんをよろしくお願いします。」
扉を開け、廊下へ出て校門の方へ向かう。
梔子……梔子 真白………【白の魔法少女】……
アイツ、厄介なヤツを連れてきたわね。
これじゃあ、もう妹に幻覚をかけたのがあたしってこともアイツにバレたと思ったほうがいいか……
ふん………まぁ、いいわ。いずれはこうなると思ってたし。
電話!……アイツか。
「もしもし。茉莉さん、どうかした?」
『向井さん………私があなたに電話した理由、分かるよね?』
「いえ、あたしには見当もつかないわ。もしかして………フルーツの中に何か妹さんのアレルギーでもあった?」
『白々しい真似はしないで。』
電話越しでもアイツの声に怒りがこもってるのが分かる。
アンタのこういう余裕のない声を聞きたかったの。
「あーあ、バレちゃしょうがないかぁ。そうよ、あたしが妹に幻覚かけてやったのよ。
きゃはは。妹のことで曇ったアンタの顔、見ものだったわ。」
『……向井っ!…どうして!』
「どうしてって……そんなの簡単よ。緑園寺 茉莉、アンタがあたしを差し置いてこの学校で1番になってるからに決まってんだろうが!!」
『………そんな理由で……巫山戯るな。向井 雛……今すぐ妹にかけた幻覚を解きなさい……!』
「今日はゴメンよ。」
『いい加減にしなさい……今すぐ…倒しに』
「ああ、残念。今日はもう外泊届けを出して外よ。バカみたいに街中探し回る?」
『………それなら明日…あなたを倒すまでよ。』
「きゃはは、望むところだっての。それじゃあね、」
「電話、もう良かったのかい?」
待ち合わせ場所の前で電話を切ると、用心棒に雇っておいた2人が既に待っていた。
「ええ。待たせちゃった?」
「別にぃ、そんなことないよー。」
「そーそー、アタシらも来たばっかだから。」
「そ、なら良かったわ。呼んだのは他でもないわ。2人とも明日、出番よ。」
「やっとね。」
「あいよー。まぁ、ほどほどに頑張りますよっと。」
緑園寺 茉莉………それに梔子 真白も……楽しみにしてなさいよ。
明日は文化祭……喧嘩は祭りの花だからさぁ。
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