第6話

「それじゃー指示にしたがってやるか」


本当は恋人モードでやりたかったが、俺達は付き合っていないし。いくら似ているとはいえ恋人でもない俺と恋人モードはいやだろう。だから友達モードにした。前行った時は特にモードとかなかったが。それは文香がポーズを知っているからだ。あいつオタクなのにリア充という相反する立場だからな。友達がたくさんいるからそいうのには慣れている。兄さんが好きな人ってもれなくリア充で美少女が多い。羨ましいよ兄さんが。


『指ハートを作りましょう』


俺達はそれぞれ指でハートを作った。ラブだなこれは。これにラブラブとでも落書きすれば彼女だと思われるな。それを楓に貼ってもらえれば他の男の牽制にもなる。まぁそんな俺のものだと主張することは好きではないが。


『次は後ろから抱きつきましょう』


いやこれ友達モードだよね?なんで抱きつくとかってなるの?ああそうかこれ女子同士を想定してるからこうなるのか。ふと楓をみると不思議な表情で俺をみている。これはやっても問題ないってことか。それじゃやってやる。


俺は後ろに周り首に両腕をかけて、肩に頭をのせた。めちゃくちゃいい匂いがする。頭がくらくらしそうだ。だがなんとか理性で我慢をして、カメラ方向に目を向ける。


そして撮ると、俺は楓からはなれた。そして、楓を見ると顔を赤くしていた。まぁあんなに恋人みたいなことすればそうなるか。なんか今日は暑いな。胸の鼓動が激しい。次はなんだ?


『頭をなでなでしましょう』


もう恋人モードても良くないかこれ。それとも女子同士だ普通なのか?まぁいいや。とりあえずやろう。俺は頭を撫でた。髪さらさらだ。これが女子校生の髪、もっと撫でたくなるがグッと耐える。楓は嬉しかったのか俺に笑顔を見せている。


次はなんだ?もうここまで来たらノリノリである。楓に触れられるし、楓はいやがった素振りを見せてないところから楓も兄さんとこいうことがやりたかったのだろう。俺は兄さんににてるから兄さんにやってるもらってるような感覚なんだろうな。


『お互いの頬っぺたをむぎゅっとしましょう』


俺は楓の頬っぺたを人差し指をあてる。柔らかい。弾力もあるしスベスベだ。楓も笑顔になりながら俺のほほをつっついている。そしてプリクラは終わった。なかなかに楽しかった。


「それじゃ落書きっていうのをしようか」


リア充なだけあって知識はあるのか。プリクラは女子高生はよく撮るしな。それにしてもカップルぽいことはたくさんしたがいやがんなかったな。やっぱり俺と兄さんが似てるから一緒に撮っている感覚になるのだろうか。まぁどのみち初めてをもらったからよしとするか。


落書きで仲良しとハートと書きながら、俺は疑問に思ったことを聞いた。


「楓はリア充なのにプリクラ初めてなんだな」


「初めては清治くんが良かったからね。誘いは断っていたんだよ」


「それじゃ初めて俺で良かったのか?」


いくら似てるとはいえ、俺と兄さんじゃ雰囲気が違う。兄さんはリア充で、俺は非リア充。あまりに違いすぎて、文香には練習といわれたほどだ。顔と好みは似てるからな。実際にどうすれば喜ばせれるかのために撮ったぐらいだし。堂々と練習発言は悲しかったがな。


「清治くんと似てるから、実際に清治くんと撮っている感覚になるんだよ。声も似てきてるからいいんだよ。それより、清春くんこそ、いいの?私みたいに他の人と写っている感覚になるから撮ったなんて」


「俺は元々楓のやりたいことと、兄さんのやりたかったことをやるから別にいいんだが」


「それなら良かった。いやな女子と思われなくて」


思うわけないだろ。どれだけ楓が兄さんのことを好きだったか分かっているからな。まぁおれのことみてほしいというのまぁ俺のこと見て欲しいというのもあるが。それでもあくまで楓と兄さんのしたかったことをやるのが今の俺の目標だ。


「あ、終わったよ落書き」


「俺のほうも終わったわ」


「それじゃどれを現像するか選ぼうか」 


「仲良しハートは現像するとして、後は楓の好きなやつでいいぞ」


そもそも大したこと書いてないしな。後は美しいとか適当なことを書いたぐらいだし。正直楓とプリクラを撮ることに意味があるから書いてることはどう書いていようがどうでもいいんだが。


「んーじゃこれとこれにしよう」


楓が自分で落書きしたやつを選らんだ。ずっと一緒だよ!とか感動した。後キュンと書いてあるのを選んだ。後ろから抱きついているやつな。恐らく兄さんにやられていることを想定して書いたのだろう。少しでも楓が先に進めるための思い出になってくれればいいが。 


「それじゃ次どうしよっか?」


楓とのゲーセンでやるようなやつはもうやったしな。ゲーセンからでてタピオカでも飲んで、夕飯でも食べに行くか。それからは食べてから考えよう。


「とりあえずタピオカでも飲みに行くか。兄さんの分も買って」


兄さんも飲みたいって病院で言っていたしな。仏段にお供えして飲んでもらおう。


「そうだね、タピオカでいい店知ってるからそこに行こう」


楓の選ぶものに外れはないからそこにしよう。タピオカは何気に初めて飲むんだよな。カロリーが高いって聞くから飲んでなかったんだが。マッカンだって高いだろって?マッカンは神の飲み物だから病気になはならない。












  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る