第3話
服屋の中に入ると、いい香りがした。これがリア充の香りか。くっ認めたくないがなかなかいい香りではないか。クンクン嗅いでる俺を周りは奇特な目で見てくる。すると楓が変態にしか見えないよとあきれたように言ってきた。
仕方ないだろ女子の匂いなんか今まで嗅いだことないから知らなかったし。まぁそんなことん言ったら余計に変態の烙印を押されるから言わないが。
「それじゃーなに系がいいんだ?」
何事もなかったようスルーする俺は間違っていない。すると楓は服を手にとって悩んでいた。黒いリボンの付いたワンピースと白い清楚な感じのワンピースだ。どっちも楓には似合いそうだが。ここは俺の好みで決めるか。
「あくまで好みだが、白いワンピースの方が清楚で、上品でお嬢様感がでていいと思うぞ」
これに麦わら帽子でも被っていたら、深窓のお嬢様だろう。風立ちぬのヒロインが思い浮かぶ。あれ最後は涙なしには見れないよね!映画を観て、原作も読んだ。まぁ主人公は違ったんたがどれだけ想いを募らせていたかは分かった。そこは原作も映画も変わらない。映画の生きては涙涙だ。
「お嬢様かー。それもいいかもね」
そう言って、楓は服を手に取り試着をしに行った。俺は試着室の前で良からぬ輩がこないかチェックをしている。唐突に変なのが現れてナンパを開始したりするからな。君かわいいねとか言いながら。
「着替え終わったよ」
そう言って、試着室のカーテンを開けた。そこにいたのは貴族のお姫様がお忍びで来たような雰囲気を感じた。めちゃくちゃににやっている。俺の目に狂いはなかったか。
「最高だ。まさしくお姫様だな。美少女過ぎてうっかり告白をしちゃうレベル」
まぁ振られるけどな。後は足が見えるワンピースとかどうだろうか。スレンダーではないがムチムチでそれはそれでいい。陶磁器のように白い太もも、そしてそのすべすべで弾力具合は神の領域だ。
「そんな美少女だなんて照れるよ」
そう言って頬を赤く紅潮させて、腕を頭の上に乗せて口元は困ったような笑みを浮かべて照れいた。相変わらず独特だな。照れ方が。あざとく見えるその行動も楓がやると天使にしか見えない。
「俺は思ったことを言ったまでた。それとあのミニワンピースとかどうだ?体型が多少気になるだろうが太っている訳じゃないし似合うと思うんだが」
「丈が短いのかー。でも合わせる靴がね」
そうしてミニワンピースのコーナーに移動した。どれも似合いそうだが、あのグレーのやつとかいいな。俺はそれを手に取り楓に渡した。それを見て短いなーとか言いながらもそれを着に試着室に入った。そして出てくると少し恥ずかしげにカーテンの隙間から見ている。早く足をみたい。
「そんな恥ずかしがることないと思うが」
「いやだって、私足太いよ」
「それがいいんだろ。痩せすぎは魅力にならん。それに平均的だと俺は思うがな。モデルじゃないんだから足の太さなんて気にしなくてもいいとお思うぞ。男はむしろそっちの方が好きだし」
そう言うと、おずおずとカーテンを開き俺に全身を見せた。
「どうかな?」
ワンピースから伸びる足がたまらん。予想通り透明感があって白くて艶がでている。まさしく理想の足である。それに恥ずかしそうにしている姿が萌える。
「まさしく天使だな。足は見せた方がいいな」
「でも靴どうしようか」
「ブーツとか合うんじゃないか。ブーツならふくらはぎらへんなら隠せるし。太ももだけが露になり冥福だ」
「本音がでているよ。でも確かにブーツなら足の太さは隠せるかも」
そう言っていると、ブランドもので全身を固めた男か現れた。ああ、危惧していたことが起きたな。
「そこの女の子僕と一緒に旅行に行かないかい?」
「ナンパは他を当たってください」
目を細めて冷たい目を向けながら、その男に言いはなった。だがナンパ師はそんなこと尾首にもださずにブランド品を見せびらかせた。
「これでもお金は持っている方だよ。そこの男よりかは満足させられるよ。フッ地味男じゃ満足できないだろ」
プチン何かが切れた音がした。ああ、これは楓が切れたな。俺の見た目を侮辱するってことは兄さんを侮辱するのと一緒だからな。俺と兄さんは双子かってぐらい似ているし。
「ふぅーん私の好きな人も侮辱するんですね。そもそも全身ブランドとかそれ相応の雰囲気を纏ってから言うんですね。それにお金は親が稼いだものなのにあたかも自分が凄いって言うのは謎ですね」
まぁ端からみたら服に着せられてる成金にしか見えんからな。それにハイブランドなら何でも似合うと思っているのか、ちぐはぐでダサい。服同士が喧嘩してうるさいイメージだ。どんだけお金があるように見せたいんだよ。それに自分に自信がないからその格好なんだろ。誉められたい的な感じで。
「くっ覚えていろよ。テレビ観て後悔しても遅いからな」
なにモデルでも目指しているの?そいうのはイケメンの領分だろ。雰囲気イケメンでさえないやつが無理だろ。そんなことを考えていると、男は去っていた。
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