第4話悪人の転落

死者の住まう市営団地、今日は三階へと足を踏み入れた。

「306号」と書かれた部屋へと入ると、男が一人テレビを見ながら酒を飲んでいた。

「ハハハ、いいぞ!!その調子でガンガンいけーー!」

男は野球の試合を見ていた、酒がかなり入っているようでかなり酔っぱらっている。

でもこれは市営団地が見せている幻、男も幽霊であり、私が入ってきたことに気づいていない様子だ。

「あーっ、クソ!!何やってんだ、しっかりしろ!!」

男は試合に一喜一憂しながら、酒を飲んでいた。





それからすぐに場面が変わった、男は玄関から部屋へと入ってきた。

「クソッ、足田の奴入社一年なのにミスしやがって・・・、一年たてば十分仕事の要領とか解るだろうが・・・。」

どうやら部下のミスに悪態をついているようだ。

それから十分くらいして、男は再び玄関へ行った。

男は何か受け取ったようで、その何かにとても驚いた。

それは内容証明郵便と裁判所からの通知だった。




またまた場面が変わった、男は再びスーツ姿で玄関から部屋に来た。

しかし男の様子が変だった、意気消沈としていて覇気がない顔をしていた。

そして男は持っていたビニール袋から何かを取り出した、それは睡眠薬と缶ビールだった。

「まさか、本当にやるのか・・・!?」

私の予想通り、男は睡眠薬を五粒口にいれるとビールで流し込んだ。

そして男は机の上で動かなくなった、私はその光景に息を飲んだ・・・。






後の調査により、男はパワハラで訴えられていたことがわかった。

男の名は石井笠師いしいかさし、彼は勤めていた会社で部下に仕事を押し付け、できないと激しく責める典型的なパワハラをしていた。

そして石井を訴えたのは、あの足田という部下だった。

結局、石井は解雇され再就職しようとしたが、パワハラする人を雇うところは当然なくて、慰謝料の支払いを苦にして自殺したという解りやすい末路だった。

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