戦場と隣り合わせな日々の中で寄り添い合いながら生きる三人を軸に描かれる、短編連作っぽいヒューマンドラマです。カテゴリは恋愛ではないですが、愛に満ちた優しい物語が綴られてゆきます。
女性であるとの自覚とは逆の体で、軍では男性として振る舞わざるを得ないメイヴィス。彼女の「本当の姿」を知っており、陰に日向にとメイヴィスを守ろうとするバルクホーン。彼の義弟で身体の大部分が機械であるため、世話が必要なバスク。主にこの三人が、一つ屋根の下でワイワイ騒ぎながら北欧料理を食べたり、お買い物に出かけたり、慰め合ったり……という家庭的な一面が綴られてゆきます。
こちらはスピンオフなので、本編(作品詳細から飛べます)を読んでからのほうがより深く楽しめますが、本編を知らなくても、「みんなと同じでない」という圧に悩み苦しむ心に寄り添う、そんな物語。疲れた日にそっと開けば、料理上手なオカン気質の軍人(自称おじさん)から癒しをもらえるでしょう。
大好きな物語なので、そっとお勧めさせていただきます。
ぜひご一読ください。