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アラームの音で、目が覚めた。
枕元。すぐそこ。
鳴ってて、強制的に浮上させられた意識。
で、笑う。
まだ眠いし寝てたいけど、超寝不足だけど、めっちゃいい、目覚め。
アラームを止める。スヌーズ。
あと5分、このままでいたいってさ。5分どころじゃないな。
ずっと。今日だけじゃなくて、ずっとって、思うだろ。
腕の中。
………柚紀が、眠ってる。
昨夜はまず2回連チャンだった。
2回目終わってから、柚紀はしばらくそのまま超グロッキー。
30分ぐらいそのままで、やだなっちゃん、何でそんなに元気なのってまじグロッキーで、それからスフレ食ってちょっと復活した。
そのあと一緒に風呂入って、洗いあって、のぼせるぐらい湯船につかってた。
風呂で色んな話をした。
話したのは基本これからのこと。
将来のこと。俺の希望、願望、夢。
そこにはちゃんと柚紀も一緒に居るんだってこと。
やだ、なっちゃん。もう、ほんっとやだって、ぐすって柚紀は鼻を鳴らした。
そして一緒に狭いベッドで寝て、ちょっとして目が覚めて、俺にくっついて寝てる柚紀にムラっとして、触って、寝て、目が覚めて、ムラっとして、襲った。
柚紀はそれに甘く甘く、やだ、なっちゃんって、乱れた。
それやっての今。
アラームが鳴ったのにも関わらず、柚紀はぴくりとも動かないで寝てる。
何も着てないまっぱで密着。
暑いけどめちゃ幸せ。
これをこれからもって、思わない理由がない。
俺もさすがにもう無理って思ってたはずなのに、だ。
朝だからの生理現象で俺は元気で、しかもまっぱ。しかも柚紀もまっぱで目の前なう。
このままいいかなとか思う。
舐めんな18歳、だよな。
ヒトって24時間で何回やれんだろな。24時間も経ってないけどな。
限界に挑戦って思う今朝の俺は、幸せすぎてどうかしてんのかもしれない。
必須アイテムを手探りで探す。
柚紀とするなら、好きって気持ちで全力でが、モットーだけどさ。それはもちろん、あって、が前提だけどさ。
柚紀にもあった『ワカゲノイタリ』は。
残念ながら、俺にもあるんだよ。
「………やだ、なっちゃっ」
寝てる柚紀のソコを少し解してすぐ入って。
超絶幸せな朝を、堪能した。
「………だからごめんって」
ここに来るときに買ってきたロールパンに、柚紀が焼いてくれたウインナーを詰める。スクランブルエッグは待機中。
なっちゃんってばお猿さんなのって、柚紀は怒ってるんだけど、顔がちょっとにやけてて、迫力はゼロ。本気度もゼロ。
でも、無理はさせたと思うから、俺もちょっとにやけつつ謝る。
「だってしょうがねぇだろ。俺はまだまだやりたい盛りなんだよ」
「………まあ、分かんなくもないけどさ」
「だろ?」
「でもなっちゃん、絶対えっちするためにアラーム早めにセットしたでしょ。じゃなきゃこの時間にシャワー浴びた上にこうして朝ご飯の準備なんかできないよ」
「………柚紀、皿出して」
「聞いてる?」
「聞いてねぇ」
「もうっ」
できた我ながら不恰好なミニホットドックを、んって柚紀に差し出したら、柚紀はそれをぱくって食べて、笑った。
今はまだ、こんな朝は特別な朝だけど。
「9年、か」
「9年?」
「9年だよ」
長いのか、短いのか。
違う。
長いようで、短いんだな。
9年後の俺、か。
「はい、なっちゃん」
「ん」
柚紀が一口食べたミニホットドックを口元に差し出されて、今度は俺がそれを、ぱくって食べた。
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