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 身体に乗っかる重みと、唇への柔らかな感触で目が覚めた。

 

 

 

 

 

 ………朝?

 

 

 

 

 

 部屋は明るかった。

 

 

 明るくて、俺は。

 

 

 

 

 

「………っ」

 

 

 

 

 

 朝。

 

 

 何時か分かんないけど、朝?で、今俺は絶賛柚紀に襲われ中、だった。

 

 

 

 

 

 昨夜は結局、ご飯を買いに出かけることはなかった。しなかった。

 

 

 ちょっとでも長く一緒に居たいから出掛けちゃやだって、かわいいやらガキっぽいやらなことを言う柚紀に、じゃあ何か簡単に作れるもの教えてよって、ベッドから柚紀に教えてもらって、俺が作った。

 

 

 レンチンの超簡単、そしてうまいうどんを、ふたりで食べた。

 

 

 食べて、薬飲ませて、一緒にごろごろして、俺は風呂ってかシャワー借りて、歯磨きして、早めの就寝。

 

 

 保育園児並の早い就寝だったと思う。21時とか。

 

 

 不服そうではあったけど、むぅって口を尖らせて、なっちゃんのケチって言われたけど、寝るぞって、寝た。

 

 

 

 

 

 そしてただいま絶賛襲われ中。

 

 

 

 

 

 キス、が。

 

 

 

 

 

 キスで起きた俺に、起きたことに気づいた柚紀が大人濃厚なキス攻撃。

 

 

 頭ががっちりホールドされてて、もう任せるしかない状況。

 

 

 

 

 

 ちょっと待って。

 

 

 熱は?ってかどうすんの、コレ。キス、すごい。すごいし朝だし、アレだしコレ。

 

 

 

 

 

『アレ』、だよ。

 

 

 

 

 

 主張が激しい『俺』。そして、同じく『柚紀』。

 

 

 

 

 

 わざとなんだと、思う。

 

 

 

 

 

 乗っかってる身体。

 

 

『俺』に『柚紀』も、乗っかってて、そこにさらに容赦ないディープなキス。

 

 

 不服な昨夜を取り返すみたいな。

 

 

 下からぐいぐい身体を押してみたけど、絡みつく舌を、身体は押しても、俺も離せないでいる。

 

 

 興奮度が増してくるからヤバイ。ヤバイ、けど。

 

 

 

 

 

 だから言ってるじゃん。俺だってお年頃なんだよ。この先の未知の世界には、興味なんか津々でしかないんだ。

 

 

 こんなことされたら。………されたら、さ。

 

 

 

 

 

 して。キスして………っていうかされて。されて、されまくって。

 

 

 

 

 

 ぷはって、やっと離れた頃には、俺はもう。

 

 

 

 

 

 ぜーぜーはーはーどっきんどっきん。

 

 

 

 

 

「おはよ、なっちゃん」

「………はよ。ってか熱は」

「ないよ。下がった」

 

 

 

 

 

 ほらって、俺が聞くのを想定して、計り終えた体温計をそのまま置いといたらしくて、見せる。

 

 

 濡れた唇で口角を上げる。

 

 

 色っぽすぎる。視線が。

 

 

 

 

 

 36.6度。

 

 

 

 

 

 で。

 

 

 だから?

 

 

 

 

 

「………あのね」

「………ん?」

 

 

 

 

 

 柚紀は昨日俺がしてたみたいに、俺の顔の両側に肘をついて、俺のほっぺたから髪を、撫でた。何度も。撫でてる。

 

 

 真上。

 

 

 

 

 

 ちょっと、これは。

 

 

 態勢も、空気も。勢いも。

 

 

 ヤバイかも。これでおしまいには。できない、かも。

 

 

 

 

 

 見下ろされる。見つめられる。

 

 

 視界が柚紀だけになる。

 

 

 すごい色っぽい顔。大人キレイに色気プラス。

 

 

 

 

 

 あのねってもう一度動いた濡れた唇に誘われて、俺が下からキスをした。

 

 

 触れるだけのキス。

 

 

 

 

 

 あのねの後、ちょっと目を伏せてた柚紀が、びっくりして目を開けて、照れ笑い。

 

 

 

 

 

「………なに」

「なっちゃんが言うようにさ、してないから不安とか、心配とか、あるんだよ。やっぱり無理って言われちゃうんじゃないのかな、とか」

「………うん」

 

 

 

 

 

 また伏せられた目。

 

 

 

 

 

 どうしてコノヒトはこんなにも表情が変わるかな。

 

 

 

 

 

 俺も。

 

 

 その顔が、今してる顔が切なくて、俺も触れた。触った。その、ほっぺたに。両手で挟んだ。

 

 

 

 

 

「でも、同じぐらい思うのはね」

「………うん」

 

 

 

 

 

 好きな人に好きって言われながら、思われながら抱かれるって、それはどんな気持ちなんだろう。

 

 

 

 

 

「僕はそれが、知りたいんだ」

 

 

 

 

 

 何か。聞いて。それを。

 

 

 すごい堪らなくなって。色んなものが。溢れて。堪えきれなくて。

 

 

 

 

 

 柚紀からされてたような深い深いキスを、今度は俺から。下から。柚紀の頭をがっちりホールドして。

 

 

 

 

 

 ………した。

 

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