第十話執事の休日
起きる。朝の日課を欠かす日は無い。たとえ休みの日であってもランニングやらストレッチやら、身体が資本のこの世界では鍛錬を怠る訳にはいかない。そして今日は休日、というか王城から出てはならないが、「ある程度自由にすることが許された日。」という日である。今日は作りたいものがあるので鍛冶場に向かう。この城の鍛冶場は戦時などで簡単な武具の手入れなどを行う場所として整備されていたが、ここが前線になるなどほぼあり得ないため、今ではほぼ誰も使わない場所と化しており、そこを使う許可を陛下から取り付ける際に、自由に使う許可を頂いた。ただし作るものはすべて必ず報告する様にと義務付けられた。今までに作ったものは数えきれないほどあり、簡素な吹子と炉、そして砥石と最低限しかなかったのが、色々頼んだり改装したりした結果、一昔前の火工場を設けた町工場の様な雰囲気となっている。先ず、大型の発電機があり、水力で発電している。 元々は砥石などを回すための水車があり、そこを人を借りて改造し、発電機に置き換えた。そして旋盤やボール盤など、前世で馴染みのある工作機械がずらりと並び、当初はゆったりとした配置だった鍛冶場が、装置がギチギチに詰まった、使用感たっぷりの
と、いつの間にか非常に厳重な部屋と化した鍛冶場だが、朝田は今日も籠って何かをしている。
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