第七話問題だらけの芸術祭

 芸術祭の音楽は終わりを迎えた。俺?弾かなくてもいいよと王様に言われたから弾いてない。だって王女様の執事だもの。(本音はめっちゃ弾きたい。そしてあの弾き終わったやつらのうざいキメ顔をへし折ってやりたい。でもそんなくだらないことより・・・)


(ヴィレラ様がめっちゃこっちを見てくる・・・)

(じぃー-)

(感じる!姫様の視線を強く感じる!)


(王族はある程度国内貴族との交流が終わったら本来は即退却するのだが、貴族に引き止められている状況だ。理由は恐らく・・・来たか)


 仮面を付けた下位貴族風の男が背後から近づく。他にも何人かいるようだ。


 ちなみに、仮面を付けての参加は許されている。(この上なく無礼ではあるが)


『義』

『はい。』

『探れ。』

『狙いは陛下のようです。次に姫様を。左後方から来ているものは閣下の足止めが目的のようです』

『俺を殺せるなら褒めてやりたいな。ナンバリングせよ。』

『陛下を狙っているものをα~、姫様を狙っているものをβ~、閣下の足止めを狙っているものをθ~、と定義します。そして脅威度が高いものから番号を振り、αが3まで、βが2まで、θが5まで居ます。』

『得物は?』

『全員、魔道ナイフが基本装備です。』

『分かった。各自、戦闘準備。』

『『『『了解』』』』

『フィラヌは待機。』

『ほいほい』

『殺さずに無力化せよ』

『『『『了解』』』』

『襲撃予想十秒前からタイマースタート』


『カウント10』



『5』


『4』


『3』


『2』

「近衛!敵襲!」

『1』

「警戒!」

「0!」


一斉にナイフを構えて襲い掛かってきた。

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