第六話 芸術祭のー始まり始まりーー
さて、芸術祭の準備が終わると、さっそく、招待客、この場合芸術パトロンであることが多い貴族を迎え入れる。ちなみに順番は到着した順に案内される。え、なんで他人事のように言ってるんだって?お前も使用人の一人なんだから、誘導するだろって?いや、俺は王女殿下直属の執事だからダメって強く言われてさ。とある御方に『君の仕事は姫様に張り付いているのが仕事である』って言われれてるし、まぁ、らくちんだひゃっほーって思っておいてる。入場した方々は一番にやらなければならいことがある。それは勿論、…王族への挨拶である。参加者は、王族>主催者>御隠居(前国王)の順で必ず挨拶回りをする。まぁ、これが非常に時間の掛かる。そして今何をしているのかと言うと…
「なんと。つまり、伴侶はまだ決まっておられないということで御座いましょうかどうでしょうここは一つ…」
微かにゲスのような笑顔を浮かべながらこのブタは言う。まぁ第二王妃が男児を出産してからこういうアホは増えている。
「フリッツ」
「はっ」
「ご案内しなさい」
「了解致しました」
糞豚を連れて王宮の重要区画へ連れていき…重要区画の扉を潜ったとこで、
「ほむ」
「ほいほいーい」
ほむが、手を人差し指を伸ばして親指を立てる。そしてそれを糞豚に向ける。そう、まるで狙いを付けるかのように。
「ぬ?」
「パーン」
ドサッ
「おい、つれてけ」
壁際の騎士が担ぐ。
「了解」
はぁ。いつまでこんなこと続くんだか。
シャリュマーニュ王国は、現在王政が敷かれており、王家は、国王と王女一人しか居らず、王女を殺して王妃を立てるか、王女に配偶者を立てるかをしたいと考えるアホ、もしくは強制的にでも子を成してしまおうと考えるキチガイ、もしくは王の悪政をでっちあげてしまおうと考える下種の極み、その他諸々が寄り合ってカオスなことになっており、まぁ、酷い。しかしこれらの子孫や、王家の主要な臣下は、黒く染まっておらず、何とかなっている。つまり、あと十数年耐えれば、清く正しい子孫が跡を継ぐので、耐えればいいのだけれど、…御覧のあり様と言う訳。おっと、
「これより、芸術祭を始める」
国王陛下による開会宣言が終わった。そして財務候が司会を務める。この人は白い。
「今年は、音楽にとても大きな改革がありました。そのため、今回は各家必ず一つは演奏することとし、各々の技量を見せて貰おう。というのが今回の趣旨です。審査には、国王陛下、王女殿下、そしてフリッツが行います。では最初に、…」
どんどん進行していく。やはりほとんどは、それまであった楽曲のアレンジなどが中心で…まぁ、楽器にあった楽曲とは言えないものが多かった。
なんでリコーダーで演奏するのがベストな曲をギターで弾こうとする?なぜチェロで高音域を弾こうとする?俺君たちに楽譜配ったよね?
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