第23話「次の停車駅は日常です。」
「あっち~熱すぎる…」
「透君、お水いる?」
「あ~いる~ついでになおちゃんのあれも飲みたい!ほら!なおちゃんのおっぱ…」
「ああ?死にてーのか貴様?」
「いえ!!死にたくないです!!」
「次言ったら殺すからな?」
「は!はい!!」
「そ、それにしても暑いですね~」
「ぎゃ、ギャップ萌えがすごい…かわいい…」
「何か言いました?」
「地獄耳」
透となおが付き合った。どのようにして付き合ったかは俺たちに明かしてくれない。
「ねえ~!!翔太く~ん!!あ~つ~い~!!」
「彼氏がいる女子がやることかよ…」
「あ~あいつあそこ小さいから…翔太君大きそうだし今見たら…」
「突っ込むとこ多すぎて突っ込めねぇ~よ。ただ、彼氏のあそこをディするな。そして、光栄なのか光栄じゃないのかわからん。」
「ちょっと!ケーブルとって!!」
「はいはい」
「でもまだよかったな。6月にエアコンが壊れて。」
「ほんまにな~今も暑いけど、真夏に比べたらましやし。それに真奈が第二種電気工事士の資格を持ってたなんて…まだ高一やで?」
「工業に入るなら当たり前」
第二種電気工事士。工業高校では結構当たり前に知られている。代表的な資格。これは国家資格で、これを取ると将来安定した職業に就くことができるといわれていて、エアコンなどの取り付け工事もすることができる。
それを真奈は中一で取ったそうだ。
どっかの誰かにも勉強の仕方を教えてほしいくらいだ。
「ぴぴ!!」
「お!やっとついた!」
「いや~涼し~!」
「真奈がいかにすごいかが分かった瞬間やな。」
「まあ~みんなも資格取ったらできるんやけどな。ま~そんなことより今日はほかの用事で集まってんやろ?」
「そう!透とみゆがなぜ付き合ったか話を聞くために!!」
「まって!翔太君!!私もそれ聞きたい!!」
「やんな!!まき!!おしえておしえて!!」
「いーやーですー」
「透~!まあまあそんなこと言わずに!!」
「いやや、恥ずかしい。なあみゆちゃん!」
「そ、そうですよ!恥ずかしい…」
「てかもう下の名前で呼び合ってるんや!」
「確かにみゆの言う通り…早いな~!」
「まあ、最寄り大和田で一緒に帰ってたし」
「あ、そっか」
「じゃあ!透君はなおのどこにひかれたの?」
「あ!それうちも気になる!」
「ほらほら!まきと真奈もきいてんぞ~?」
「え~う~ん。まあ可愛かったから?」
「何それ。普通過ぎてしょうもな。」
「爆発しろ。バカップル」
「いや、お前らが聞いたから答えてやったんやぞ!もっと感謝しろ!」
「てか、おめーにだけはバカップルって言われたきゃねーよ!」
「てへ?」
「てへじゃねえ!」
「なんか普通やな~」
「普通で悪かったな!!」
「と、とにかく今日は一日作業するために集まったんでしょ?もうお昼だしちゃっちゃとはじめましょ!」
「でもおなかすいたな~」
「確かに、お前の言う通り…」
「じゃあ私何かつくろっか?」
「え!真奈が!」
「え、そんなに手料理おいしいん?」
「知らないの?翔太君!真奈って両親共働きで家にいないから弟のお世話をずっとしてるの!それで、弟に晩御飯を作ったりしてるから手料理がほんと!おいしくって!」
「へ~!そうなんや!じゃあキッチンのもの適当に使っていいから何か作ってーや!」
「いいよ」
「でも、今みたいなとき弟君はどないしてるん?」
「あ~友達とでも遊びに行ってるわ。この前は女と帰ってきたからその女をぶっ殺してやろうかと思ったけど、弟の前だったから、やめてん」
「は?」
「だめだよ!!翔太君!!真奈は弟を愛し愛してるの!弟が女子にもてるとメンヘラ化しちゃうんだよ!」
「え、そうなん?」
「メンヘラ化してへんて!ただ弟によって来るハエをたたき落としてるだけやで?」
「真奈さーん、お昼お願いしまーす。」
「あ、はーい」
「まきこの話はやめよう。」
「うん。寒気がするでしょ?」
「じゃあ、僕はその間になおちゃんのミルク…ぶふぉ!!」
「てめえ死にてえようだな。次言ったら殺すっていったよな?」
「なあ、翔太、多分やけどな、池田って確かMやったやん?」
「うん。せや。」
「多分ここのギャップ萌えに惚れたんちゃうか?」
「それな。それはあるわ。」
そんなこんなを言いながら、時間をつぶしていたら、真奈が料理を作ってくれた。
少し暑いっていうのもあって、冷製シーフードパスタを作ってくれた。
「パスタ作ってみた。おいしいからわからんけど。あと、卵が大量にあったから卵焼きも作ってみた。」
「おーすげー!お昼から豪華やな!」
「このくらいすぐできるで。」
「いや~どれもうまそうやな!」
「ほんとにおいしんだよ~!透君も食べたことない?」
「ないねな~なおちゃんの芸術的な料理は食べたことあるけどね~」
「もう!芸術的だなんて~!」
「ほめてねーんだなー!」
「え、池田あれ食べたの?」
「だって、彼女やぞ?それも初めて作ってくれた手料理…食べへんわけにはいかんやろ…高柳だって好きな人が作った手料理がたとえグロテスクでも食うやろ?」
「…食べるな…てかいつも食べてるわ…」
「やろ?それと同じや。その、高柳が普段食べてるその手料理俺も知ってるけど…あれのほうがまだましやろ…死ぬほど味濃いけど…」
「うん。確かに。なおのほうは…なんか…うんこの味がする。」
「おい、言い過ぎやぞ。せめて汚物にしとけ。」
「いや、どっちも同じ意味やろ。」
「うん?何々~?二人で仲良く話しちゃって!!私も聞かせて?」
「はーい!まきちゃん!目の前にめっちゃおいしそうなお料理が並んでるよ~?はやう食べないと私食べちゃおっかな~?」
「それはあかん!」
「ほな行ってらっしゃーい!」
「なあ、新家ってアニメで言うおバカキャラ?」
「当たり前。私が書くおバカキャラって、まきを見本にしてる。」
「やろうな。なんか読んでて思ったもん。」
「てか私たちも食べよ?これは安心して食べれるし。」
「確かに」
「なにこれ!!めっちゃうまいやん!!うますぎる!!」
「でしょ!真奈の腕なめてましたよね?堀溝君!」
「うん!でもこれはすごい!!まいりました!!」
「そこまで、今回手こんでないからな~また晩御飯でも作ってあげるわ。」
「知ってました?堀溝君!真奈って褒めると若干照れるんですよ~!」
「へ~かわいいやん!」
「は!?照れてないし。しばくで?」
「またまた~!」
「なおも!!」
「でもいいよな~こんなにおいしい料理毎日食べれたら。」
「それはそうですよね!私へたくそなんで!」
「池田…今の聞いた?」
「うん。聞いた。自覚してるんやな。」
「それな。てか私ら、さっきからディスりすぎじゃない?」
「お前も、やっと気づいたか…俺はもっと早く気づいてたけど楽しくて…」
「あんたもなかなか最低やな。」
「ま~ね~」
「芸人やめろ。」
「てか、堀溝ってほんまに一人暮らしなん?」
「そうやで」
「でもすごいよね~この年で一人暮らしだなんて。私には信じられないよ。」
「まあ~基本自由やしな~そろそろバイクの免許も取りに行こうと思うし。」
「え?バイク?なんで?」
「買い物行くときとか、お前らの仕事するとき便利やん?」
「いや、電車好きやねんから電車で行けよ。」
「え~満員電車だるい…」
「お前ほんまに鉄っちゃんか?」
「俺は撮り鉄と覚鉄!」
「え?何それ…」
「まあ河北の言う通りそうなるはな。
まず、鉄道ファンといっても、いろんな分類がいるねん。例えば、電車に乗るのが好きやけど、写真に撮るのはそこまでとか、逆に乗るのはお金かかるからいい。けど、写真は撮りたいとかっていう様々な、人たちがいるんや。」
「なるほど…いわゆるアニメ好きでもコスプレする人もいれば、しない人もいるもんな~」
「そうそう!それと同じ。ちな、巷で話題の非常ボタンを押して、電車を止めて写真を撮るやつのことは、「クズ鉄」っていうねん。」
「おーうまい」
「だから、翔太は撮り鉄だから、あんまり乗るほうには興味がないということ。俺は、撮り鉄と乗り鉄やからどっちもに興味があるということ。そして、あなたたちの「推し」が俺たちで言うと好きな車両ってことになる。そして、野球のチームのファンになるのと同じで、俺好きなのは元国鉄の「NR」翔太は「阪慶」ってこと。」
「なるほどね~」
今日は一日そんな話をして終わった。
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