第22話「次の停車駅は挑戦です。」
「みなさーん!こんにちわ!スタジオ・クスノキのトー君でーす!そして撮影は!ミーちゃんでーす!」
「こ、こ、こんにちは」
「はい!今回は!第1~5話の振り返りをしたいと思います!そして最後は次回作の第6話の予告をしたいと思いますので、最後までご覧いただけたらな~!と思います!それでは今日も出発進行!」
「@kusunoki_sutazio
みんな!おはよう!
SNS担当のまきです!
今日は土曜日!お仕事の人は朝から頑張ってね!
現在第6話に向けて作品を作っています!
下の画像は絵描き担当みーちゃんが作ったものです!
今日も一日頑張っていきましょう!」
「今月の費用は、収入がこれに対し、支出がこうだから…」
「えっと、ここをこうしたらきゅんてなるな~」
「とりあえず今日はこの写真を絵化しよう」
初めて、作品を投稿してから、はや1カ月がたった6月中旬。
順調に活動をしていきあの日からいくつか作品を投稿した。
視聴者はだんだんと増えていき、SNSでのフォロワーは120人から530人になった。
ティーチューブでのチャンネル登録者数も430人と上出来ちゃあ上出来の状態。
これからも、人数が増えることを願った。
学校で教室を借りていたが、やっぱり自立をしたくて、学校を出て萱島の近くにスタジオを借りることにした。
だが…
「6万…7万…」
「高すぎんか…」
「いや、それくらいするよ。まあ、お金たまるまでは、俺の家でやるか?」
「そんなに大きな家なん!?」
「いや、こいつの家こいつ一人だけだから」
「え?」
「まあな~俺の親どっちも俺が小さいころに亡くなったからな~おばあちゃんに育ててもらったけど中三の夏に亡くなっちゃって…今は一人ってわけ」
「そうなんや~なんかかなしいな…」
「いや~そんなことないよ!親は小さいころに亡くなっちゃったけど、俺のためにお金もためといてくれたし、おばあちゃんは結構歳取ってたけどいつも俺のために頑張ってくれてたし…本当に感謝しかないし、優しさを感じたかな。だから、俺ができる恩返しは「勉強すること」だけだから、日々勉強してたらこうなったってわけやな」
「おー!それはすごい!!だから頭いいんやね!!」
「まーなー!」
「とにかく!お金が貯まるまで、こいつの家をスタジオにするで!」
「えらい無理やりやな…まあええけど」
「あ、せや。少し思ったことがあるねん」
「どうしたん?池田?」
「オタク女子ちゃんおるやん?あれって当たり前やけど、アニメのオタクちゃんやん?」
「せやで。5話まで来て、この辺の設定曖昧なんもあかんけどな?w」
「なんか、高柳のそういうところ抜けてるよな?」
「てへ?」
「いやてへじゃねーよ。マジ頼むって…」
「はあ~?あんたもいつも集合時間遅れて来るやろ~?」
「てへ?」
「しばくで?」
「すいません…で、透が言おうとしてたのって?」
「アニメのオタクちゃんやったらさ、曲とか作ってみやん?」
「え?曲?」
「いや~透~ここラノベ制作する場所やで?さすがにそれは場違いじゃ…」
「い、いや、実はそうでもないんですよ。」
「え?そうなん?」
「そう。実はアニメ界では、声優が歌う曲やったり、そのアニメのために作られた曲っていうのが、あってそれが結構人気やったりするんよ。」
「そうそう。河北の言う通り。だから、曲とか作ってみるのとかありじゃないかな~と思ったんや。」
「なるほど。それは全然知らんかった。」
「でも誰が、演奏したり、歌ったりするん?」
「そうだよ!もし演奏するなら楽器できる人がいないと…」
「それは、そこにいる4人やな」
「え、俺もおるから5人じゃね?」
「お前はあほか。あほなのか。女子4人ということや。」
「あ~ね。じゃあ!俺らは!!」
「俺らは裏方や。お前、ちょっとはその頭を動かせ。ほんまに勉強しかできんやっちゃな。」
「はい…」
「とりあえず、お前たち4人でバンドを組んでみいひんか?ほかのアニメや漫画をパクッテるって言われたら、そこまでやけど、だってこれはオタクとはどんなものなのか?みんなが毛嫌いしてるアニメオタクはどんなものなのか…それを伝えたいんでしょ?だから、これもありなんじゃないかな?って思う。」
「なるほど…確かに池田の言う通りやな。でも私歌うことしか出きひんで?」
「わ、私は…ベースなら弾けます。」
「私はドラムならできるよ!」
「うちは、ギターならできる…あ、」
「ほら、組もうと思えば組めるやろ?」
「せやな。でも誰が詩を書くん?」
「それは俺が、書く。で、翔太が曲を作る。」
「なるほど…何とかやっていけそうやな。でも、バンド名は?」
「クスノキ広場」
「その心は」
「みんなを見守るクスノキの下で、みんなが仲良くなれる広場のような曲を作りたいということ」
「要するにみんなから、愛される曲を歌うということやな?」
「そう」
「相変わらず、説明へたくそやな」
「ま~ね!」
「いや、ほめてへん…」
「とにかく、こういうのもやってみたらいいんじゃない?」
「で、でも…こ、これって…アニメ化とかになるから、できる話であって…私たちまだアニメ化とかしてないんで、無理じゃないですか?」
「あ、」
「確かに…けどありなんちゃう?別にアニメじゃないからって、これをやったらあかんてルールなんかないし、第一まだアニメ化されてないラノベの登場人物に声優さんの声を吹き込んで、動画を上げるっていうのもあるし。」
「え、そうなんですか?初めて知りました。」
「わたしも!そんなのあるの?」
「最近の流行で言うと、「僕の彼女は地下アイドル」ってラノベ?もちろんお前らなら知ってるよな?」
「もちろん!!あれはそのうち漫画化されて、アニメになるよ!」
「じゃあこのラノベの動画チャンネルあるのはご存じ?」
「え、そんなのあるの!?」
「知ってる。あんたの言う通り、ヒロインが動画上げてるな」
「お、さすが真奈さん!」
「そう思ったら、池田君が考えたこともありじゃない?」
「さ、さすが池田君です!」
「なんか、よかったのか」
「じゃあもう一つのチャンネルを作らへんか?ここに関しては、まきが詳しいと思うけど、今俺たちが普段上げているのは、事務所というか、スタジオのチャンネル=この作品専用のチャンネルじゃないよな?」
「うん!その通り!だから、今作ってる作品以外にも新しい作品ができたら、その作品もここで紹介ができるってわけ。」
「だとしたら、個々の作品用チャンネルを作ったら、その作品を単独で幅広く動画として流せるってことやんな?」
「そうなるね!」
「やとしたら、新しいチャンネルを作って、そこで披露するのはどうや?」
「でも、あんたが言ってることを現実にするとなると、キャラの声が決まってしまう。つまりアニメ化した時…もしも…もしもやで?私らが声をしなあかんくなるんちゃう?」
「そこは、問題ないさ」
「え?どういうこと?」
「アニメ化したら、俺たちが声をやればいいんだから!!」
「は!?何言ってるの!?」
「今はスタジオ・クスノキって言ってるけど、大きくなれば、その上を作ればええやん!!例えば、クスノキプロダクションとかな!」
「翔太…」
「なんや、透。驚きか?」
「うん。お前すごいな。先を見てるな」
「運転手志望が前を見んくてどないすんねん!w」
「…」
「みゆどうや?」
「あんた…それほんまにできるん?」
「できる。約束や。もし、声優をやってみて嫌なら、声優を雇えばいい話。俺たちは作品部門にいたらええし、俺たちだけならつぶして、作品配給のみに戻すでもいい。なんでもできる。」
「絶対約束できる?」
「翔太君。私からもお願いしたい」
「わ、私もです。」
「おれもや!」
「うちも!」
「任せとけ!!」
こうして、ラノベ向けのバンドを組むことになった。
というか、制作からすべて自分たちでやるという、前代未聞の計画…果たしてうまくいくのだろうか…
「まもなく、電車がホームを通過します。ご注意ください。電車が通過します。ご注意ください。」
「なあ。」
「なんや?」
「バンド作るとか言ってもさ、どこまでいけるんやろ?」
「そら、最終的には大阪ドームでのライブやろ!」
「は!?大阪ドームで!?」
「知ってるか?ドームでのライブって、そんなに簡単にできひんねんや。ある程度名前が有名で、ある程度の収益が見込めないとまずドームすら貸してもらえない。そういう場所なんや。だから、俺たちもここを目標にがんばらばええんちゃうか?」
「…それなら、阪慶が運営してる、枚阪パークは?あの、枚方にある。」
「あ~あそこな~けどな?しょぼいで?言っちゃ悪いけど。」
「けど私たちが、舞台にしてるのは萱島。萱島をもっと有名にしたいって意味で作てるやん?だから、あそこも有名にしたいなと思ったし、第一」
「日本最古の遊園地やもんな」
「そう。そんな歴史ある場所でのライブって面白くない?」
「確かにな!!」
「あとは…お前にも恩返ししたいし…大好きな阪慶での場所での恩返し…」
「それは、もっと成功してからにしてくれ!w」
「今でも、十分私たちに協力してくれてるやん!」
「いや、まだまだ。今の俺は、みんなの意見をまとめて、これを実行しようと話してるだけやん」
「皆様。まもなく一番線に各駅停車、萱島行きが6両で到着します。黄色または緑の乗車位置丸印の1番から6番で2列に並んでお待ちください。全ての駅に停車します。」
「今の放送のようにまだ電車は来てないけど、もうすぐ来るよってアナウンスしてくれるやん?けど結果はまだ来てない。
俺も同じ。みんなでやろ!って言ってるだけで、結果はまだ何も成功してない。やろ?」
「うーんよくわからんけどそうなんか?」
「まあせや。だから、みゆ。俺にお前の夢を見せてーや。お前が描いている夢がどんなのか。夢って追いかけたらどうなるのか。夢が叶ったらどれほどうれしいのか。それを教えてくれよ。」
「お前に?私が?」
「俺たちのやってることってさ、みんなに娯楽を与える仕事じゃない?それと同時に夢も与えてる。疲れて帰ってきた人に元気をあげる、娯楽。一般人は多分これで終わりや。けど、作品をみて、俺たちと同じ職に就きたいと感じる人もいるだろう。そういう人たちには、夢を与えてる。」
「確かに。それはそうやな。一般の人でも、聖地とかに行ってみたいとか、コスプレをしてみたいとかっていう夢を抱く人もいるかも。」
「なるほど!まあとにかく俺たちはみんなにたくさんのものを与えてる。まあ簡単に言うと楽しみやな!」
「うん!私たちは、みんなに楽しみを与える!それが、私の夢!!」
「じゃあ、俺はそんな夢を追うみゆの最大のスポンサーでありたいな!」
「え…」
「皆様、まもなく2番線に準急出町柳行きが7両で到着します…」
「来た来た!」
「…あ、池田君あれ!」
「お!やってるな~!」
「え!ここで!?」
「なあ初さんなんか変なこと考えてない?」
「へ?は!!そういうこと!?」
「いや、公共の場!!ちょっと考えたらわかるやろ!w」
「そんな!!で、でも二人仲いいんですね!」
「ね~いつ付き合うのやら…両想いなのにお互い片思いだと思ってるし…」
「え!?そ、そうなんですか!?」
「あ、知らんかった?高柳がふってるのって、翔太のことが好きやからやで?」
「それは、わかるでしょ。」
「いや、しってんねんやん…」
「いつ、できるんですかね~」
「さ~な~」
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