第19話 「次の停車駅は中間考査です。」

「はー!一旦休憩!」


「おーお前にしてはまあまあといたな〜」


「この!一言多いねん!一言!」


「痛い痛い!ごめんなさいごめんなさい!」


「ホンマに〜!てかさっき部室開けっぱできたけど大丈夫やったかな?」


「あ〜透が閉めてくれたらしいで?」


「なら良かった.........」


「うん?お前問題解くのはええけど.........間違えすぎやろ.........」


「は?マジ?」


「うん。なんなら10問中7問間違えてる」


「嘘やろ.........」


「はは!やっぱりアホやな!」


「.........」


「いててて!痛い痛い!ごめんなさい!ごめんなさい!」


「うざ!超ウザイねんけど?」


「ごめんて.........わかった!わかった教えるから!」


「はよ教えろ!」


こうして俺はみゆに勉強を教え続けた。休憩したいと言ったらしばき回されるしうち.........

あっていう間に時間はすぎ17時半になった。

みゆの家は18時に帰宅しなさいという門限があるため、そろそろ家に帰さないといけない。


「みゆそろそろ時間やわ。帰らなまた偉いことになるんちゃうか?」


「.........うん.........わかった.........」


「夜rail電話でやるか?」


「いや.........テスト前そんなんやったら.........」


「あ〜そうか.........ほなまた明日俺んち来いよ。教えたるわ。わからへん問題とかあったらメモってきたら明日も教えたるわ」


「.........ありがとう.........お前にしては気が利くやん?」


「一言多いねん!アホ!」


「痛!お前?私に何やったかわかってるんやろうな?」


「す、すみませんでしたぁー!!」


この日はこれで勉強は終わった。

この日からテストに向けて毎日俺の家で勉強を続けた。

そしてテスト当日の金曜日。

初日は間違えまくっていた「数学」と「英語」だった。

なぜだか分からないんだが、昔から英語はみゆの方ができて、なんならみゆは英語をペラペラと喋ることが出来る。

電車の中であった外国の人とも普通にやり取りができる。

普通英語をしゃべれる人は、日本語の英語は、文法ばかり習うから苦手という人が多いのに、いつも点数が高い。


「今回も英語のテストだけはいけたわ!」


「さすがみゆやなー!今日も帰って勉強?」


「まぁ〜せやな〜」


「そうか〜!頑張って!私はヤンくんとデートやわ!」


「いいな〜!真奈は?」


「今日は弟も午前授業やから、早く帰ってくるから一緒に遊ぶねん!!」


「そうか〜いいな〜」


「またお母さん?」


「そっか.........みゆのお母さんってあれやもんな.........」


「ううん!大丈夫!私のために言うてくれてるから頑張るわ!」


「うん!頑張って!」


「無理だけはしたらあかんで!」


「うん!ありがとう〜!」


「じゃあね!」


「私も弟帰ってくるわ!バイバイ!」


「バイバイ!

.........いいな.........みんな遊びに行けて.........金曜日やねんからちょっとくらいいいやん.........」


「じゃあ行くか?」


「へ?」


「守口市周辺ならええやろ.........ちょっとくらい.........」


「でも.........」


「金曜日.........なんやろ?」


「.........お前が言うとちょっとダサいな!」


「はー!?」


「普通さーもっとイケメンが壁ドンとかしていうんよ〜!わかる?」


「お前夢見すぎ。そんな男子世の中にいてないから。」


「殺されるかしばかれるかどっちがいい?」


「せめてしばかれる方」


「わかった」


「いて!いや、だからと言ってしばくなや〜!」


「私から夢を奪った報復や」


「いや、無罪!無罪を主張します!」


「は?無理」


そう言って俺たちは京阪百貨店に向かった。

そして次の日


「お、おはよう.........」


「おはよう!バカ!」


「は!?」


「へへ!冗談!」


「しばーく!はい!しばーく!」


土日も俺の家で勉強をし、2日目が過ぎ3日目からは工業高校ならではの科目も入ってきた。

そして4日目、5日目がきていよいよテスト最終日になった。


「今日でやっとテストも終わりや〜」


「みゆあんなけ毎日頑張ってんからいい点取れてんちゃうか?知らんけど」


「知らんけどってなんやねん!なんかもっとゆえやー!てかこれでテストの点悪かったらお前のせいやからな!」


「はぁー?それはお前の勉強の仕方が悪かっただけで俺の教え方は天才やからな!」


「キモ.........自分で天才とか.........」


「ごめーん!ほんまのことやからさー?」


「なんかウザイからしばく!」


「いて!すみませんでした.........」


「とりあえず.........お前が教えてくれた通りに.........頑張る.........から.........」


「はいはい。最初から素直にそう言えや」


「は、はぁー?最初にバカにしてきたのはお前やからな?」


「へいへい」


「へいへいっておま!」


「まもなく3番線に準急淀屋橋ゆきが7両で到着します。黄色または緑の乗車位置丸印の2番から8番でお待ちください。」


「お!きたきた!今日は配信見てたら9000系が走って来てたから楽しみにしてたんよー!」


「最後まで話聞けや!」


「え?知らん知らん。とりあえずこの9000系準急に乗れる嬉しさよ!」


「もう.........頑張れって言ってや.........」


「おーい!みゆ早くぅー!」


「はいはい。ま、頑張って終わってから褒めてもらお!」


こうして、テスト最終日を迎えた

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