“保健室”

頭が痛くて保健室に行く。


保健室に着くとそこにはヒカリが居た。


ヒカリは泣いていた。


なんで泣いているのかしら...


「あら、ツバサさんいらっしゃい。」


アタシは保健室によく来るの。


黒岩先生にアタシがジェンダーだってことも話した。


もしかしたらヒカリちゃんも話したのかしら...?


「ごめんねツバサさん。用事があるからちょっとヒカリちゃんと話しててもらえる?」


「分かりました。」


「どうしたのよヒカリちゃん」


「...ボクをちゃん付けで呼ばないで」


「ごめんなさい...ヒカリ...」


「あ...こちらこそごめん。強く言い過ぎた...」


「いいのよ。それでどうしたのよ?」


ヒカリがアタシに説明をしてくれた。


やっぱり黒岩先生に話したらしい。


「...偉いじゃない!」


「え...?」


「1人で抱え込まなくていいのよ。また辛くなったらアタシや黒岩先生に相談しなさいよ。アタシだったらいつでも聞くわよ。」


「ツバサ...」


ヒカリはアタシに抱きついてきた。


アタシはヒカリを撫でる。


「アナタの周りにも理解してくれる人が少なくて辛かったわよね...分かるわ。その気持ち。」


「...うっ...ぐすっ...」


「アタシもね、アナタや黒岩先生に会うまで本当に辛かったの。でもアナタ達に会えたからもう辛いって思わないわ。」


「...うん...」


「もう大丈夫よ。」


と言うとヒカリはアタシの胸の中で泣き喚いた。


この子はアタシよりも辛かったのかしら...


アタシがこの子を支えてあげなくっちゃ。


黒岩先生だけに頼らせちゃ先生が大変だもの。


アタシも頑張るわ。


アタシ達が頑張ってヒカリを支えていかないと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る