“ボクはただ”

学校に着き、HRが始まるまでTwitterを見ていた。


暇なので「かっこよくなりたい。」


と呟く。


こんなことを呟いても何も意味が無い。


かっこよくなんてなれない。


そう思いながらも呟いてしまうボクがいた。


いいじゃん。


SNSぐらい自由にさせてよ。


唯一自分らしく居られる居場所なんだから。


ゲームのアバターだって男にしたいし、


性別を聞かれて男って言ってもSNSじゃ気にしないだろ?


男なんてそこら辺にいっぱい居るんだからさ。


性別を騙ったっていいじゃん。


誰にも迷惑かけてないじゃん。


ダメだとか言われたらどうしよう。


そんなことを考えてしまうのはボクのダメな癖だ。


きっとまたアイツみたいなやつが周りに居るはずだ。


ボクの事を否定しないでくれて、「そのままでいい」って言ってくれる人が_____













本当に居るのだろうか。


もし周りには否定する人しか居なかったら...


ボクはこのままで生きていけるのだろうか?


ボクは...ただ...


ツバサのような...


ボクを肯定してくれる人が...


ただ側にいてくれて、励ましてくれたら...


それだけでいいのに...



自然と涙が溢れてくる。


頭の中がぐちゃぐちゃだ。


思わず教室を飛び出し、トイレに駆け込んだ。


「はぁっ...はぁっ...」


ボクはトイレにこもって泣いた。


泣き叫んだ。



時が経ち、先生が心配して来てくれた。


保健の黒岩先生だった。


「大丈夫...?どうしたの...?」


と、優しく声をかけてくれた。


「話あるなら聞くわよ...?」


黒岩先生なら分かってくれるかもしれない。

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