1章 33話

『今日からここに住んでね!』


ヘラヘラ男が放った言葉が頭から離れず、数時間が経過していた。


あの後、銀髪は用があるからと家を離れた。


ここから出るな。


そう言葉を残して。


「そんなこと言われてもな…住むとしても服とか学校のものとか持っていかないとだし。」


そう色々考えていたら、もっと現実味がなくなっていった。


服はもちろんそうだが、学校の教科書や参考書、ここに持ってきたいものだって沢山ある。


「まぁでも命には替えられない…か。」


そう自分に言い聞かせて目蓋を閉じた。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーここはどこだ?


真っ暗闇の中、空から光の筋が一つだけ届いている場所がある


「あれは…だれ?」


誰かが立っている。


私は前へと足が進む。


誰なのかを確かめるために


「…銀髪…?」


そこには銀髪が立っていた。


まるで、私の世界を照らす唯一の光のように。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

極・恋 〜あの日から始まった恋〜 れいかもめ @r__03_ei

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ