1章 28話

その後、車の助手席に乗っていた若い男の人が説明してくれた。


「藤宮静香ちゃん」


「あ、、はい。」


「ごめんね〜翔太ってほんとに言葉足らずでさ〜」


「チッ」


「お〜怖い怖い。」


その男の人は続けて話した。


「ん〜俺らの組のせいで静香ちゃん巻き込んだみたいなんだよね〜」


組?巻き込んだ?


「翔太ってさ、めっちゃ嫌われ者だからみんな狙うんだよね〜翔太の命」


命?狙う?


「なんか水族館で?親しげに話してたのをチンピラに見られてたらしくて?それで静香ちゃん狙われたって訳」


笑いながら話す男の人に嫌気がさした。


落ち着いてきた私は、さっき何が起こったのか。


思い出してしまった。


額には大量の冷や汗。足と腕の震えが止まらない。


何も考えられない。そんな私は車の中で叫んでしまう。


「う…うぁ、…うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

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