1章 26話

気がつくと視界が広がっていて、口元、足、腕は塞がれていたままだった。


恐怖がとまらない。冷や汗が溢れ出す。


「嬢ちゃんおきたのか〜。」


サングラスをかけ、ガタイが強く、頬に傷がある男に話しかけられた。


「いや〜嬢ちゃんも不運だねぇ」


男はナイフを持っていた。


訳の分からないまま、私はひたすら恐怖でいっぱいだった。


「あいつを呼び出すためなんだァ、ゆるしてくれ」


何分、何十分、何時間経ったかわからない。


私はただ、震えて泣くことしか出来なかった。


また意識が遠のく。


ーーーーーーーーー静香。大丈夫よ。


ーーーーーーお母さん達がついてるから。


ーーもう少し…


なんの夢…?


お母さん……

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