1章 13話

「なんだその顔」


ぽかーんとしている私の顔に対して言ったのだろう。


「いや…なんですか?」


「あー…昨日どうしたんかなって」


「昨日…?」


幸せに頬張っていた私の顔は真っ青になった。


「…見てたんですか?」


「いや、見てたって言うか、たまたま通りかかった。」


「…」


同級生に見られたことも無かった夜への拒否反応。


「…たまたま、思い出し泣きですよ。」


「…へー。」


それだけ言い残して、彼は屋上から出ていった。


それからというもの、特に何も無く平和な生活が続いていた。

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