1章 9話

ーーーーーお母さんっ!!お父さんっ!!


ーー行かないで!!


「…行かないでっっっ!!!」


そう言って目覚めた私は頬に涙が伝っていった。


「また夢だ。」


私の両親は1年半前、急に居なくなってしまった。


手紙を置いて。


その手紙には『元気で生きてね』との7文字だけ。


高校に合格して、一緒に暮らしていく予定だったのに。


何故かも分からないまま日常を暮らしている。


電話も繋がらない。居場所も分からない。


一気に孤独になった私は、日常を暮らしていくしか無かった。


「学校の準備しないと…」


時計の時刻は6時半を指していた。


今からお弁当を作るにはギリギリの時間だった。


「コンビニに行こうかな…」


お弁当を作らずにコンビニに行くだなんて初めての事だった。


日常が少しずつ変わっていった。

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