1章 6話

幸い、部活が終わる時間帯なので生徒達がバス停にいた。


ほっとした私は小説を開く。


「バス来るの遅くなーい?」


学生達がぶつぶつ言っている。


時計を見ると予定時刻から10分が過ぎている。


「久々に歩いて帰ろうよ!」


そう言った女の子に賛成したのか、学生達は歩いて帰った。


真っ暗なバス停に1人でいることになってしまった私は、少しずつ恐怖心が芽生えてきた。


バス停の周りには何も無く、いつ来るかも分からないバスを待ち続けるのは苦痛だった。


「…学校戻って先生に送ってもらおう。」


そう決めたが、足が動かない。


「やばい…なんで…?」


足が震える。手も震える。その場で座り込んだ。


「…どうしよう…怖い…」


誰も居ないバス停で、私は不安と恐怖でいっぱいになり、目をつぶった。


恐怖が蘇る。

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